ダブルのジャケットが欲しい。どう考えてもジャケットはダブルが気分である。
カジュアルウェアのブランドでダブルをよく見るようになったのは去年くらいからかな?
ジャケパンとかスーツの世界だとかなり前から推されてたように思うけど、自分も着たいなぁ、って気分になったのは一昨年くらいから。
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ダブルのジャケットの由来
しかしいざとなるとダブルのジャケットって難しい。
パターンオーダーで作るようなフォーマル感強めのジャケットでも、シングルなら生地と丈を工夫すればカジュアルでも全然使える。
でもダブルとなるとおっさん臭さが増して、威圧的というか必要以上に偉そうに見える。
ちなみにダブルの方がよりフォーマル度が高いので、おっさんが冠婚葬祭に着ていくような正装はダブルである、みたいな話をたまに聞くが、あれは真っ赤なウソである。というか勘違いである。
ダブルってのは元ネタは海軍の軍服で、軍艦の甲板に立った時に風が服の中に吹きこんでこないようにするための仕様。右から風が吹いたときは身頃を右前に、左から吹いたときは左前にして風の侵入を防ぐために、あんな感じで体の全面を包みつつ左右どちらでも前にできるようになっているのである。
機能優先の仕様なので、フォーマル度はシングルより劣る。というか欧米ではそもそもダブルは礼装とはみなされない。
この辺の話はこちらの本を読むと良い↓。
“「黒」は日本の常識、世界の非常識 図解恥をかかないフォーマルウエア入門” 高橋純
銀座の老舗 高橋洋服店の店主 高橋純氏の著書で、正しいフォーマルウェアについて解説されている本。服が趣味の方には是非一読を勧めたい。
ダブルのジャケットをカジュアルダウンする方法
まあうんちくはとりあえず置いておくとして、シングルのジャケットと同じ感覚で普通のダブルのジャケットを着ても、ちょっと重い印象になってしまい、どうしてもお仕事感が出てしまう。
普段着としては見慣れていないってのもあるだろう。
ということで普段着でいけそうな、抜け感のあるダブルのジャケットはないものか、と思って色々探してみた。
有り難いことに去年あたりからトレンドアイテムなので色んなブランドが出してて、ボタンの数を減らして4つや2つにしたり、肩を落としてみたり、オーバーサイズにしてみたり、凝った柄物の生地で作ってみたり、何とか普段着で取り入れやすくなるように、皆さん色々とデザインを工夫してリリースしている。各ブランドの個性が現れるので、見ているだけでも面白い。
まあデザイナーズブランドであれば、大抵はどれも良くできているので好みの問題でしょう。そもそもダブルのジャケットを着たい、なんて欲求を持ってる時点で少々マニアックな趣向だし、そんな人達は ”こうしたい” みたいな何かしらのイメージを持ってるんではなかろうか。
自分の場合はあれですよ、オフィスで女性が大きめのサイズ感で金ボタンのネイビーブレザーを袖を折って着てるイメージ。あれに憧れる。あんな感じで着る方向性でカジュアルダウンしたい。
なんかまたキモいこと言ってんなぁって?否定はしないけどそんな感じの女の人、かっこよくない?絶対ね、共感してくれる人がいるはず。
しかし深く考えたことないけど、こういう欲求ってコスプレしたいっていう気持ちに近いものだったりするんだろうか?
女性らしい雰囲気が漂う UNION LAUNCH(ユニオンランチ)のメンズ ブレザー
そんな感じで色々と探してたら見つけたのがこれ。UNION LAUNCH(ユニオンランチ)のL’CHOPPE別注ブレザー。
外部リンク<BAYCREW’S STORE “【UNION LAUNCH / ユニオンランチ】別注 DOUBLE BLAZER”>
元はレディースで展開されてたブレザーをベースに、メンズにサイズアップして別注したものだそうな。サイズはメンズなんだけど、ベースはレディースなのでユニセックスのジャケットってことになるみたい。
見た瞬間「これこれこういうのが欲しい」とテンションがあがり、一昨年くらいから欲しいなと思ってたものの、高いし、数も少ないのか、入荷したら即完売する人気っぷりで買い逃し続けてたもの。
今年も買い逃して「縁がねえなぁ」と思いつつ、ある意味出費せずに済んで少しほっとしていたら、先日たまたま店頭で一着残っているのを見つけてしまった。ぶっちゃけ鼻血の出そうな値段。急な出費としては大変痛い。しかしまた来年まで待つのもイヤだし、ここで会ったが100年目的な心境で鼻血をたらしながら購入を決断。

しかしこのユニオンランチのメンズブレザー、今はインラインでも展開されてるみたいなんだけど、L’CHOPPEで展開されているだけあって不思議なブレザーである。
実物を見るとよく分かるんだけど、毛芯を使ってたり、お台場仕立てだったり、肩はしっかり肩パットが入ってるし、襟のステッチは手縫いっぽい立体感のある仕立てだし、本切羽だし、かなり本格的な男性用ジャケットの作りになっている。
作りがしっかりしてて、生地も良いものが使われてるもんだからオーラが半端ない。ぱっと見で ”いいジャケット(ブレザー)っすね” って雰囲気が漂ってる。
なんだけども女性的な印象がある。女性がオフィスで着てるようなダブルのジャケットの雰囲気も漂わせていて、いい塩梅で抜け感がある。
何故なのか?あんまり分析して語るのも野暮なんだけど、一応語ってみる。
UNION LAUNCH(ユニオンランチ)のブレザーの特徴?
スタッフさんに話を伺いつつ観察した結果を3つほど。

1点目。
このユニオンランチのブレザー、裾に向かって少しだけAライン気味に広がったシルエットになっている。腰の絞りも入っていない。
Aラインが女性っぽいシルエットに見えるってのは、女性は男性より肩幅狭くてお尻が大きいからってことだろうと思われる。
かっちりしたメンズのジャケットだと、Aラインシルエットにはなっておらず、腰には絞りが入ってて肩幅が強調されるような作りになっているのが普通。肩幅広くて上半身が大きい、逆三角形体形が男性らしさの象徴なので、スーツのジャケットはそれを強調するような作りになってるのが普通。
2点目。
身頃のボタンがついている位置が低くなっている。
リラックスした雰囲気を出すためにポケットとかボタンの位置を下げるというのはよく見るデザイン手法なんだけど、何でそれが女性っぽく見えることにつながるのかはよく分からない。
想像するに、女性は胸があるのでそれを締め付けない低い位置にボタンがあると女性っぽく見えるってことなんだろう。たぶん。
3点目。
袖付けがメンズほど前振りになっていない。
袖自体は腕に沿うようにカーブを描いた作りになっているんだけど、あんまり前振りになっておらず、少し横の方についている。袖が前振りになっているってのは機能面を優先してのことなんだけど、機能より胸を張って立ったときに美しく見えるような、平面的な設計になっているそうな。
それが何で女性的に見える要因になっているのか、いまいち理解できないんだけど、体の動きに合わせて機能的にすればするほど男性っぽくなり、動きがなく平面的な美しさを追求すると女性っぽくなるってことらしい。
なるほど、分からん(´・ω・`)。
UNION LAUNCH(ユニオンランチ)のブレザーのサイズ感
とまあ正直腑に落ちない感が凄いんだけど、何故か女性っぽく、女々しさ漂うこのブレザー。
ユニセックスな雰囲気で着崩しを楽しみたい、っていう筆者には強烈に刺さったし、数年前から欠かさず展開されていることを思うと、同じような趣向の人がたくさんいるってことなんだろう。たぶん。
ジャケットとしての仕立ては本当によくできているし、深いこと考えなくてもデニムや軍パンと合わせるだけで簡単にコーディネートが成立するので、非常に使い易いのは間違いない。

最後にサイズ感を補足。身長177cm、体重67kgの筆者でXLサイズがちょうど良かった。
Lサイズでも全然着れるんだけど、袖丈が少し短くなってしまう。中にシャツを着て袖口からシャツをのぞかせるようなフォーマルな着方をするのであれば全然問題無いんだけど、半袖カットソーの上から羽織るような着方をするのであれば袖が短いとどうも間抜けに見えてしまう。少し袖を長めにしてアウターっぽくした方が、良い場合が多いと思う。
身幅はかなり大きめなので、窮屈に感じることは無さそう。なので袖丈と着丈で選ぶのが良いと思う。

ということで筆者はXLを選択。
XLといっても普段のLサイズくらいの感覚。ユニオンランチのXLが他ブランドのL、Lサイズが他ブランドのM、くらいの目安で考えると分かりやすいかも。
身長170cmくらいまでの方なら、Lサイズがおすすめだと思われる。
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そんな感じで筆者のダブルのジャケットが欲しい欲求もこれで落ち着いた気がする。
しかし鼻血を出しつつの出費。またメルカリで色々処分しなきゃ。。。