ファッションの話

Le Yucca’s(レユッカス)のサイズ感、履き心地を解説

5月末に南青山のL’ECHOPPE(レショップ)でオーダーした Le Yucca’s のキャップトゥシューズがようやく届いたので受け取りに行ってきた。

約5カ月待ちでの到着である。靴のオーダーでしかもイタリア生産なので5カ月待ちってのは普通だけども、心待ちにしてたのでホントに「待ってました!」って感じ。

ちなみにスタッフさんに聞いたら、今回は約40足くらいのオーダーがあったらしい。うんまあ、40足が多いのか少ないのか、よく分からんのでただ聞いてみただけだ。へぇーとしか言いようがないけど、なんとなく多いような気がするのは気のせいか?

実物が手元に届いたので、今日は実際履いてみた感想とかを写真付きで色々解説してみようと思います。もし Le Yucca’s の靴の購入を検討中の方がいらっしゃれば、何か参考になれば幸いです。

レユッカスの定番木型 Karena(カレナ)のモデル

ということで今回青山のレショップでオーダーしたのは Le Yucca’s(レユッカス)のKarena(カレナ)という木型で作ったストレートチップ(キャップトゥ)のモデル。爪先部分はクロコダイル革になっています。ちなみに型押しクロコじゃなくて本物のクロコダイル革。

今回届いた筆者私物。オーラ漂ってんなぁ。

このキャップトゥのモデルはレショップの別注品。

オーダーしたときの詳しい話は上記の記事をご参照いただきたい。

5月末のオーダーの時は同時にUチップのオーダーも受け付けていて、どちらかというとレユッカスの定番はこのUチップの方。見た目はUチップの方が細長く見えるんだけど、木型は一緒なので中の形(?)は全く同じ。違うのは見た目だけ。

なので今回の解説は定番のUチップも含む同じ木型(カレナ)であれば、同じように考えてもらってOKです。

爪先はリアルクロコレザー。

Uチップの方は定番の人気モデルだし、どっちをオーダーしようかと若干迷った。結局キャップトゥ(ストレートチップ)の方が細長く見えない分だけ、小足に見えるんじゃね?と思ってキャップトゥを選択。

前回の記事でも書いたけど、個人的に感じているレユッカスの魅力は履くとエレガントな小足に見えるところ。

ついでにキャップトゥ(ストレートチップ)だとフォーマル度が高いから会社にも履いて行きやすいのでコスパいいんじゃね?というケチ臭いことも考えた。コロナで在宅勤務になってほぼ会社行かなくなったのでもはや関係無くなってんだけどね。

レユッカスのサイズ感:かなりきつめのフィッティングがおすすめ

このレユッカスのカレナという木型のモデル、履くと小足に見える、っていうか実際小さく作られている。

左がレユッカス サイズ 40 1/2(25.5cmくらい)。
右がフォルメ サイズ 6インチ 1/2(26.5cmくらい)。
1cm 違うものの、それ以上に全然大きさが違っているのが一目瞭然。

↑の写真を見ても良く分かる通り、見た目がかなり小さ目に作られている。っていうか足入んのこれ?というくらい小さい。比べて見ると、マジで同じ人間靴か?って感じである。

しかし見た目に反して実はワイズはE程度あり、インポートものなんかと比べると幅は広めに作られているので、実際のサイズ感としては見た目ほどの窮屈さは無い。筆者の足は幅広なのだが、全然履けてしまう。

元がレディース靴だけあって、意図して普通のメンズ靴より小さめに作られているので、その意図に沿ってコンパクトに履くのが良いと思う。

そして筆者が今回買ったのはサイズ 40 1/2(25.5cmくらい)。普段の革靴のサイズが26.0~26.5cmなので、思い切って0.5~1.0cm下げた形。

というのもこの靴の革、かなり柔らかいというか弾力がある革で(おそらくベジタブルタンニン鞣しの革)、実際長く履いているスタッフさんの話でも履いていくうちにかなり伸びるとのこと。

↑写真では表現しきれないが、オイルドレザーっぽいような質感の革。
あーこれ柔らかい革だな、と分かる人は何となくわかると思う。

長く履くうちに靴底が沈み、革も伸びてガバガバになっちゃう(左右の羽根が閉じてくっついてしまう)、なんてのは革靴あるあるだが、それがかなり顕著に出る様子。なので革が伸びることを想定して思い切ってサイズを下げた。

ということでさすがに履き始めの今はかなりギチッとしたフィッティングで締め付けられる感じはするが、普通に歩くくらいなら全然問題ない程度。

もちろん革質が硬いモデルだと無理してサイズ下げるとひどい目に会うので一概には言えないが、レユッカスの標準的な柔らかい革質のものであれば思い切ってサイズを下げてきつめのフィッティングにするのがおすすめです。

下は参考までに筆者の着画での比較。パンツは両方ともNEAT USAの32インチ。筆者の身長は177cmです。

↑の靴はforme(フォルメ)。
↑こちらがLe Yucca’s(レユッカス)。
レユッカスの方がコンパクトで小足に見えるのが分かるだろうか。

レユッカスのおすすめポイント:スタイル良く見える高いヒール

これも散々言われていることではあるが、レユッカスの靴はヒールが高く作られていることが多い。(モデルによっては低いヒールのものもあるので注意)。

このモデルだとヒールの高さは約3cm(ソールも含めて約3.5cm)なので、普通の靴よりだいたい1cm程度高い。

↑少しヒールが高く、レディース靴のような色気がある
↑比較画像その1。
左がLe Yucca’s(レユッカス)。右がforme(フォルメ)。
明らかにレユッカスの方がヒールが高い。
↑比較画像その2。
左がLe Yucca’s(レユッカス)。右がforme(フォルメ)。
ソールの下から計って
レユッカスのヒールは約3.5cm。
フォルメのヒールは約2.5cm。

ヒールが高いと何が良いかというと、身長が盛れて足が長く見える。

ソールがでかい厚底でも身長は盛れるが、厚底靴は足長には見えないので、あくまでヒールだけが高いというのがポイント。要は女性のハイヒールと同じ原理でスタイルが良く見えるのだ。

でもたかが1cmでしょ?と思った人、侮るなかれ。

↓の筆者の着画を見て欲しい。

↑の靴はforme(フォルメ)。ヒール約2.5cm。
↑はLe Yucca’s(レユッカス)。ヒール約3.5cm。

パッと見、足が長く見えているのがお分かりだろうか。これ、実際に足の長さ1cm盛られていることが要因なのだが、それ以外にパンツのクッションが無くなっていることも大きく見た目に影響している。

ギリギリノークッションになるくらいの丈

こういう丈が長めのフルレングスのパンツを履いたときにヒールが高いとクッション(裾のシワ)がつきにくくなる。するとパンツにシワが入らずスッとキレイに落ちて縦のラインが強調され、スタイルが良く見える。

クッションをつけるとシワができて野暮ったく見えるが、それはそれでカジュアルで良いとする着こなしもあるので、クッションが無い方が必ずしも良いとは限らないが、少なくとも無い方がスタイルが良く見えるのは間違いない。

丈を詰めてノークッションにしても良いのだが、丈の長いパンツをキレイに履いた方当然足は長く見えるので、ヒールの高さは1cmといえどもバカにできない。

ちなみに最近マルジェラのタビブーツとか、ヒールの高いブーツがトレンド。だがタビブーツはヒールが6cmもあり、ぶっちゃけ慣れないと足がめちゃめちゃ疲れる。いや慣れても疲れる。ヒールは高い方が良いのだが、高くすると今度は履き心地が犠牲になるということ。

しかし3.0~3.5cm程度のヒールのレユッカスなら、実際筆者が履いてみた感じだと普段通りの靴と全く変わらず履けるので、そういう意味でもバランスが良く、おすすめできる。

レユッカスの履き心地は?

履き下ろしてまだ1回しか履けていないし、当然まだ全然馴染んでいないが、聞いてた通り凄く良い感じではある。

個人的には革靴なんて2年くらい履いて完全に馴染まないと良し悪しは分からないと思っているのだが、ギッチギチのフィッティングにしたわりに立っていられないような痛みに襲われるわけでもなく、普通に走れたりもするし、むしろタイトな締め付けが心地良いくらい。

見た目以上にワイズが大きい優秀な木型ってこともあるんだろうけど、おそらく柔らかい革質のおかげで足に馴染みやすくなっているのではなかろうか。こういう馴染みが早い靴ってのはやっぱり高級靴ならではじゃないかと思う。

レユッカスにおすすめのシューツリー、シューケア

おすすめシューツリー

こんだけ高い靴(税込み18万円(;´Д`))だと、それなりのシューツリーを使いたくなるのが人情。変なシューツリー突っ込んで形変わったりしたらやだもん。

ほんとは純正のがいいんだろうけど、今回オーダーの受け取り時にL’ECHOPPE(レショップ)がLe Yucca’s(レユッカス)用に店頭で用意してたシューツリーがこれ↓、”LA CORDONNERIE ANGLAISE(コルドヌリ・アングレーズ)” の “FA85S” というモデル。

自分で色々試してみたわけではないので、これが最適!と確信を持って言えるわけではないんだけども、まあ仮にも専門のお店が「これが合う」と勧めてきたものなので、筆者は信じて買ってみた。

↑の画像の通り、バチッと合っているので間違いないと思われる。お値段は税抜き12,000円。いいシューツリーってクソ高いよね。

おすすめソール補強

そしてレユッカスの靴は基本的にレザーソールなので、ハーフラバーソールを貼るのがおすすめ。レザーソールの履き心地をしばらく楽しんでからハーフラバーを貼る、というのもアリだと思うが、革底ってかなり滑るのよね。路面がぬれてたりするとほんとツルツル滑って危ない。筆者は子連れで移動することも多いので、そういうどうでもいいことで危険を冒したくない。ということで履く前にハーフラバーを貼った。

爪先には、トライアンフを装着。この爪先に付けるスチールチップは、爪先の補強材としては抜群の効果が高いので付けるのがおススメ。

ちなみにビンテージスチールとトライアンフ、どっちを付けようか毎回悩むんだが、個人的には爪先が丸いカジュアルめな靴にはトライアンフ、ドレスな靴にはビンテージスチールがいいかな、と思う。まあ好みの問題でしかないので好きな方を付ければ良いだが、ほんとに迷う(´・ω・)のでなんか指標があってもいいのにと思う。

つーか、本体とシューツリーとソールの処理を合わせたら全部でほぼ20万円かかるっていうね。買っといてなんだけどマジで狂気を感じるわ。そんなものを平気でおすすめとか言ってるけど、そんだけ金だしたらそりゃあ良いモノで当たり前じゃね?って話だからね。どうなんでしょ?(・ω・)

おすすめ靴磨き

おすすめとか言っといてなんだが、まだ履き始めたばかりなので革のケアをどうすればいいのか、正直分からない。

ただ革質を見て、スタッフさんと会話した感じだと、ほとんど靴磨きが要らない類いの革なんじゃないかと思う。実際、長く履かれているお店のスタッフさんもレショップコンセプターの金子氏もほとんど手入れはしてなかったらしい。

たぶんオイルを多く含んだ良い革なので、乳化性クリームをぬりぬりするより、履く度にブラシでホコリを落としつつ、たまーに少量のオイルを塗ってやる、くらいで十分だと思われる。っていうか今んとこそれしかやらないつもり。

まあしばらく履いてみて、様子見ながらケアしていく感じでしょう。

どう経年変化したかは、また気が向いたら解説してみま~す。

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ということで個人的に吐血しながら買った稀に見る高額品のレビューでした。在宅勤務化で外出する機会が減ってるのに靴に金かけるっていうね。頭おかcのかって感じだけどやめられない(`・ω・)

以上です~~。

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