昨今のダッドシューズ、ボリュームスニーカーのトレンドに乗って突然人気に火が付いたHOKA ONE ONE(ホカオネオネ)。トレイルランニング愛好家にとっては革命と言っていいくらい画期的なシューズだそうで、本来の用途では元々人気があったシューズなのですが、日常シーンで着用という意味ではほんとに突然人気になった、という感じですね。
外部リンク<ホカオネオネ公式サイト>
たしかBondi5が発売されたのが2017年だったと思うのですが、そのあたりのタイミングでファッショニスタに注目されファッション用途で人気が出始めました。キコ・コスタディノフが自身のブランドのランウェイでモデルに履かせたのがきっかけ、と言われています。
そもそもトレイルランニング用のシューズなのでゼビオ<ゼビオ 公式サイト>等のスポーツ用品専門店くらいでしか販売されておらず、市場に出回っていた数も少なかったようで、人気が出てすぐに転売屋にやられてしまい在庫が一気に無くなって非常に困ったとゼビオの店員さんも仰っていました。そりゃあまあ、ゼビオの本来のお客さんはファッション愛好者じゃなく、スポーツ愛好者でしょうし、トレイルランニング用に買い求める顧客が買えなくなって不便をかけたわけですから、いい迷惑だったでしょうね。
その後、2018年AWシーズン(2018年の夏頃かな?)から高感度ショップで見かけはじめ、2019SSシーズン(2019年の2月頃かな?)から大手セレクトショップの店頭で見かけはじめ、この時期からおおよそどこの店頭でも見かけるくらいになり、入手は容易になっています。
筆者も、「Bondi5」、「Crifton5」、「TOR ULTRA HI 2 WP」と3つほど購入して履きました。そのときの着用感とおすすめモデルをレポートしたいと思います。
結論を言ってしまうとおすすめは断然「TOR ULTRA HI 2 WP」です。というか「TOR ULTRA HI 2 WP」があんまりにも良いのでおすすめしたくて今回の記事を書いています。
「TOR ULTRA HI 2 WP」は昨年の発売後すぐに完売となり長らく販売されていなかったのですが、11月に再販されるようです。
Contents
Bondi 5(ボンダイ5)、Bondi 6(ボンダイ6)
ストリートシーンでおそらく一番人気があるモデルが「Bondi(ボンダイ)」。最新のモデルがBondi 6で、United ArrowsやBEAMS、Journal Standard等の大手セレクトショップに行けば大抵おいてあります。
外部リンク<HOKA ONE ONE 「Bondi 6」(ホカオネオネ公式)>

ホカオネオネの一番の特徴が、そのボリューミーなソール。普通のスニーカーの倍はあろうかというソールはインパクト抜群で、数あるモデルの中でもトップクラスにボリューミーなのが「Bondi」シリーズ。ボリューミーなんですが軽いのも特徴。発泡スチロールか何かでできているのか?と思うほど大きさの割に軽いです。
ボリューミーで強いインパクトがあるんですが、デザインは比較的地味で、カラーもブラック一色やホワイト一色のモデルがあるためファッション的にも非常に合わせやすく使い易いんですよね。筆者もブラック一色のモデルを買いました。アッパーは足の甲にフィットする作りなので意外にすっきりしており、更にソールがつま先にかけて先細りのデザインになっているので、ボリュームのあるソールなんですが、見た目は全体的にそこまでボリューム感が強調されていないところがまたファッション的にも有利なポイント。
履き心地は公式で「マシュマロソール」と言っているだけあって、見た目通りクッション性が凄い。今まで体感したことのない異次元のフワフワ感です。これはまあ人気になるのも頷けますね。
ついでに靴紐もちょっと特殊で、伸縮性がある靴紐になっています。なので脱ぎ履きが楽チン。きつめに靴紐を結んでも、解かなくても脱ぎ履きできます。
以上、実際に履いてみてのBondiの良いところを挙げましたが悪い点もあります。それは何かというと、(個人差はあると思いますが)長時間履いていると疲れてくるところ。要はですね、ソールがフワフワなのは良いのですが、フワフワすぎて安定感がないため足首が疲れてくるんですよね。加えてソールが沈み込むのは良いのですが反発力がないため足の裏を押してくれず、足裏が疲れてくる。なので長時間歩行には向いていないと思います。競技用で使われている方にとっては良いのかもしれませんが、タウンユースレベルだとオーバースペックなのかもしれませんね。
ということで気に入ってはいたのですが、後述の「TOR ULTRA HI 2 WP」を買ったこともあって、メルカリで売却。しかし流石はトレンド品。ちょうど大手セレクトショップが扱い始める直前くらいのタイミングだったこともあり、ほぼ定価で売れて助かりました。トレンドを先取ると、こういう点で良いことがありますね。
Crifton 5(クリフトン5)、Crifton 6(クリフトン6)
ホカオネオネのスタンダードなランニングシューズとされているのが、このCrifton(クリフトン)シリーズ。
外部リンク<HOKA ONE ONE 「Crifton 6」(ホカオネオネ公式)>

Bondiほどの極厚ソールではなく、タウンユース用としては比較的バランスが良いモデルです。見た目のインパクトもBondiほどではなく、普通のスニーカーに近く、そういう意味でもバランスのとれたモデル。これくらいがちょうど良い、ってことですね。
しかしですね、大変良いものだし日常使用にも適したものであることは間違いないんですが、服好きとしては何か今一つ物足りないんですよ。Bondiとどっちが良いかというと悩むところですが、見た目を優先させるとBondiが優先されるのも分かるんですよね。もうちょっと何かが欲しい。。ということでこちらもしばらく履いたのちにメルカリで売却。
TOR ULTRA HI 2 WP(トゥ ウルトラ ハイ 2 ウォータープルーフ)
そして今回強くおすすめしたいのがこちら、「トゥ ウルトラ ハイ 2 ウォータープルーフ」。前述の2つは処分してしまいましたが、これは手離せずにずっと使い続けています。超人気モデルで(たぶん生産数も少ない様子)最初の「TOR ULTRA HI WP」、アップデートバージョンの「TOR ULTRA HI 2 WP」ともに速攻で完売していて、2次流通市場でも高値で取引されていましたが、この度2019年11月に再販がされることになったようです。
外部リンク<HOKA ONE ONE 「TOR ULTRA HI 2 WP」(ホカオネオネ公式)>
で、何が良いかというと、単純にその性能。段違いで優れています。まあ、お値段も税込み38,500円と段違いで高いので当たり前っちゃ当たり前なんですが。

カラーはブラック
かっこいいです
その優れた点を挙げると、
・グリップ力が強い
アウトソールにVibramソールが使用されているんですが、良く観察するとVibramソールになっているのはアウトソールの外側の部分で、中心部分はBondi等と同じような柔らかいソールが使われているようになのです。それが要因なのかはちょっと分からないのですが、グリップ力がめちゃめちゃ強い。良く「路面に吸い付くようなグリップ力」とか言いますけど、これは「粘りつく」と言うか、靴底に両面テープでも貼ってんのかってくらいへばりつきます。歩行に違和感を覚えるほどではないのですが、滑るとかもう考えられないレベルですね。冬に東北地方に行った際に雪で凍結した路面を歩いていても安定感が全然違って、全く滑りませんでした。

水色の内側部分が柔らかめのソール
水色とオレンジの間の部分は硬めのVibram
二重構造のようになっています
・軽くて見た目がかっこいい
軽い、というのはホカオネオネの他のモデルにも言えることですが、こちらも500g弱と見た目に割にめちゃめちゃ軽い。元々は米軍用にデザインされたモデルだそうで、トレッキングブーツというか、ミリタリーブーツのような武骨な見た目をしているのですが、アッパーの素材がレザーとナイロンのコンビになっていて高級感があり、ボリュームのあるソールとつま先にかけて先細りになっているデザインが相まって、モード感を醸し出していて非常にかっこよい。キコ・コスタディノフがコレクションで使用したというのも頷けます。ちなみにKazuyuki Kumagaiも18AWのルックで使用していますね。(参考リンク<Kazuyuki Kumagai 18AW>)


ごつごつして複雑で機能的なデザインなんですが
モードな高級品に見えます

つま先は先細りに削れているようなデザインで
履くと意外と収まりが良い
理想的なボリュームスニーカー
・透湿防水性能が高い
eVentという透湿防水素材が使われていて、これには有名なGORE-TEXと比べて透湿性能が高いという特徴があるそうで、実際に履いていても全く蒸れません。そして防水素材なので雨や雪の日にめちゃめちゃ使えます。というか筆者は雨の日は必ずこれを履いていて、靴の中に水が染み込むなんてことは一切なかったです。

水は通さないけど蒸れません
・保温性が高い
見た目通りに保温性が高い。eVantが防風性と保温性も持った素材なので透湿防水性能との合わせ技で、蒸れないんだけど保温性が高いという真冬に大変重宝するブーツです。冬の東北地方に行った際には本当に助けられました。履き口が高くて防水で、グリップ力が超強くて暖かいって、要は高性能な長靴なんですよね。おまけに見た目にもかっこいいという。BondiやCriftonだとアッパーに通気性があるので、真冬はちょっと寒いんですよね。靴下履いていれば冬でも大丈夫ではありますが、暖かいに越したことはないわけで。
・足首まで固定するブーツタイプ
足首を固定してくれるので、他モデルと同じくらいのクッション性があるけどれも比較的疲れにくい。長時間履いていると足裏が疲れてしまうところは他のモデルと変わらないのですが、足首が固定されている分だけ、だいぶ疲れ方が軽減されています。
とまあ色々挙げましたが、ファッションデザイナーが自身のコレクションで使うくらいファッション的なかっこよさがあり、ホカオネオネならではのクッション性があり、高い透湿防水性能を持ち、保温性が高く、グリップ力が超高い、足首をホールドしてくれるので疲れにくいと、まあ言うことなしな品質です。特に抱っこ紐で子供を抱えるときなんかは安全だし、ソールが柔らかこともあって大変快適で、おすすめです。

身幅が大きいコートだと抱っこ紐ごと子供を包めます
足元も暖かいしすべらなくて安全だし楽だし
最高です
誤解を恐れずに言えば、かっこよくて高性能の長靴ですね。
一応、秋冬用(春でもOK)を想定して紹介しているんですが、夏にも短パンと合わせてベージュのモデルを履いているショップ店員さんを青山でみかけました。蒸れないので合わせ方次第では夏でもいけるということです。筆者はしませんけど。
後継モデルのSKY KAHA(スカイ カハ)が2019年6月頃に出ていますが、あまり人気がなかったのかもしれません。
外部リンク<HOKA ONE ONE 「SKY KAHA」(ホカオネオネ公式)>
性能的には大差ないと思うのですが、まあ見た目がちょっとシュッとしていて、武骨さというか武骨さが醸し出すモード感が欠けていて、ファッション的には「TOR ULTRA HI 2 WP」の方が良いですからね。仕方ないのかもしれません。なので今回の再販は嬉しい限り。
まとめ
ということで今回おすすめしたかった。HOKA ONE ONEの「TOR ULTRA HI 2 WP(トゥ ウルトラ ハイ 2 ウォータープルーフ)」。非常に良いものなので、筆者としても冬用の万能ブーツとして紹介したいと思っていたのですが、売り切れているものを紹介しても意味がないので紹介したくてもできませんでした。なので再販のニュース見て今しかないと思い、今回紹介させていただいた次第です。
値段はまあ高い。4万円弱ってちょっとひくくらい高い、高級品です。しかし性能面では大変優れているので買って損はなかったと個人的には思っています。
ちなみにローカットバージョン(外部リンク<HOKA ONE ONE 「TOR ULTRA LOW WP」(ホカオネオネ公式)>)もあり、こちらも人気です。街中でよく見かけるのはどちらかというとこっちのローカット版かも。今回おすすめしたハイカット版はあまり見かけないですね。ローカット版もかっこいいし性能的にも良いんですけどね、高性能な長靴という観点でおすすめしたい靴なので、その観点でいくとやっぱりハイカット版が良いかなと思います。
以上、ホカオネオネのおすすめスニーカーのご紹介でした。
ではでは。