最近子育てをしていて、これからはもう絶対避けて通れないな~と思うのがスマホとの関わり方についての教育。
まだ2歳にもなっていない娘ですが、もう既にスマホを触りたがっています。
まあ親が使っているから真似して使いたがるのは分かるのですが、分別が付かないうちから使わせるのはちょっと怖いな~と思うのも事実。
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消費用端末のスマホと生産用端末のPC
そもそもですが、情報機器の中でもスマホってのは消費用の端末としての傾向がかなり強い。逆に生産のための情報機器の代表的なものがPC。今や仕事では誰だって当たり前に使いますよね。普通のホワイトカラーであれば当然Outlook、Excel、Powerpointは使いますし、設計、グラフィックデザイン、アニメ制作、動画作成、プログラミングなどのクリエイティブな仕事でもPCは必須です。
スティーブ・ジョブズが自分の子供には一切スマホもタブレットも触らせなかったという話は有名ですが、それも頷ける話です。スマホがあると際限なく消費に時間を使えてしまいますから。
一方で子供が絵を書いたり、楽器を弾いたり、積み木を組み立てたり、運動したりする時間を制限したりはしませんよね。同様に、PCを使って絵を書いたり、動画を作ったり、プログラミングをしたりといった時間は制限すべきでないはずです。物事を創造する時間ですから。使い方は限られますが、そういう意味ではスマホやタブレットも創造的な使い方は可能です。
この辺りの区別をちゃんとつけて情報機器との接し方を考えないといけません。要は創造や学習のために情報機器を使うならOKだけど、消費だけのために使う時間は制限すべし、ということ。10歳以下の子供は特に情報機器での消費活動の中毒になりやすいとされており、教え守るべき立場の大人自身がリテラシーを持って使い方の区別をつけられるようになる必要があります。
香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」(仮称)について思うこと
そんなことをモヤモヤと考えているときに↓のニュースが目に留まりました。
外部リンク<日経新聞 “オンラインゲームに時間制限 香川県、依存防止へ条例案”>
ネットを見るとほぼ炎上みたいな状態になっていたんですが、ちょっと気になったので条例の素案を読んでみました。すると次のようなことが書かれています。
・子供が”日常生活や社会生活に支障をきたすようなゲーム依存症”になるとダメだから対策しよう。
・世界保健機関で”ゲーム障害”が正式疾患と認定されていて、とりわけ射幸性が高いオンラインゲームは依存状態になると大人の薬物依存と同様に抜け出すのが困難になるので対策必須。
・対策は行政、学校、保護者、事業者が連携しつつ主体的に取り組むべし。
大雑把に要点だけまとめていますが、まあ至ってフツーの当たり前のことが書かれています。別に批判するような話じゃないように思えます。しかし”こうするべき”という理念みたいな話なのであまり具体性が無いんですね。で、そういう具体性の乏しい内容が17条まで延々と続いて、18条になって急に具体的な内容になります。以下、条例素案の引用です。
(子供のスマートフォン使用等の制限)
第18条 保護者は、子供にスマートフォン等を使用させるに当たっては、子供の年齢、各家庭の事情等を考慮の上、その使用に伴う危険性及び過度の使用による弊害等について、子供と話し合い、使用に関するルールづくり及びその見直しを行うものとする。
2 保護者は、前項の場合においては、子供が睡眠時間を確保し、規則正しい生活習慣をみにつけられるよう、子供のネット・ゲーム依存症につながるようなスマートフォン等の使用に当たっては、1日当たりの使用時間が60分まで(学校等の休業日にいあっては、90分まで)の時間を上限とするとともに、義務教育終了前の子どもについては午後9時までに、それ以外の子供については午後10時までに使用をやめるルールを遵守させるものとする。
引用元 香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)(素案)
何で60分?とか色々突っ込みどころ満載で、結局時間制限を課される子供だけが不利益を被るように聞こえてしまう、ナニコレって感じの内容ですね。
テレビの報道なんかを見てると大抵ここだけにフォーカスして報道してますね。それもどうかと思いますが。そんなんだから偏向報道と言われて信用されなくなるんでしょう。報道なんて一部だけ切り取って面白おかしく見せたり、都合の良い方向に誘導するように作ってるものなのだから鵜呑みにせず、本当に理解したいなら現物をみて自分で考えるようにしましょう。
まあ理念は否定するような話ではないけども、具体的な運用の話になるとグダグダになるってのはよくある話。
大抵の大人は誰だって仕事とか義務を増やして欲しくないですから。たとえ正しい話であっても義務だなんだと仕事を増やそうとすると、ただでさえやることいっぱいあるのに新しいことに割ける時間なんかないよ!と文句が出まくってボコボコにされ、責任の押し付け合いになってグッダグダになるのがオチです。もっと他に大事なことがあるだろう!とかね。
情報機器を創造的な使い方をする方向にインセンティブを与えるのが良いのでは
やっぱり禁止しよう、違反したら罰則を与えよう、という発想がナンセンスなのかなと思います。そもそもスマホにしてもPCにしても、情報機器は消費にも創造にも使えるものです。単純に接している時間だけで禁止すると創造的な時間まで奪ってしまう可能性もあります。
第4次産業革命が来ると言われている中で、今後ますます人間には創造性が求められるようになり、生産側の人間になるには道具としての情報機器を今以上に高いレベルで使いこなすことが当然のように求められます。
そして消費端末としての使い方も熟知していないと、新しい使い方のアイディアなんか出てきません。そういう意味でも、一見して消費活動に見える行為でも創造につながる可能性を秘めており、一概に禁止して良いものでもありません。
単に情報機器と接している時間だけで区切ろうとしても、区別が難しいんですよね。だから時間制限って言われてもピンと来ない。実効性無いんじゃないの?と。
それよりも学校や家庭で、スマホやPCを使わないと解決できない課題を与える方が効果があるんじゃないでしょうか。例えば「地球温暖化の解決のために地域の樹木を増やすにはどうすれば良いか」PCとスマホを使って調べたり誰かに質問したりして自分なりの考えを出させるとか、面白い動画や画像を作らせて(もちろん個人情報は出さず、事前に教師や親のチェックを受ける前提で)あるルールの中で、第3者にからいくついいね!をもらえるかを実験してみる、とか。
まあまだ素人の浅知恵でしかないんですが、どうすれば自分の子供が積極的に、創造的な活動のために情報機器の使い方を学ぶのか、それを考えるのが親の仕事かなと思った次第。その方がこれからの時代に合ってて建設的だと思いませんか?創造することの楽しさにも気づく機会にも直結しますし。
凄く難しいことのような気もしますが、考える親の側も前向きな気持ちでやれそうですから、決してネガティブな気持ちにはならない気がします。
今日はここまで!
ではでは~。