今日は20年秋冬のお買い物の話ということで、先日買ったコートの話。
コートとかいっぱい持ってんじゃん、まだ買うの?無駄じゃね?とか言うそこのあなた!着丈の長さとか色とか生地とか色々違うから!一つとして同じものは無いから!つーかコート好きなのよ!もうそういう病気なんだからしょうがないでしょ!
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必要性をあんまり感じなくなったウールの分厚いコート
しかしまあ去年あたりから痛感してるのは、分厚いコート要らない、ってこと。強烈な寒波が来るならまだしも、もはや都内だとそんなに寒くないのでウールの分厚くて重いコートは去年も買ってない。
今はもう身幅の大きな軽めのコットンや化繊のコートを着て、内側の重ね着で調節するのがベストでしょう。幸いにも身幅も袖も大きい、中に着込みやすいオーバーサイズのコートがトレンドだから選択肢も豊富だし。
ほっそいチェスターコートとかだと中に着込みづらいから、一枚でも暖かいウールの厚めのでもいいのかもしれないけど、ちょっとねぇ。もはやそんなものが売ってるのかどうかが怪しいし。
欲しかったフランス軍の名作 M-38 モーターサイクルコートを購入
そんな感じので何かいいのねーかな?と探して買ったのがこれ、フランス軍の名作M-38モーターサイクルコート。デッドストック。古着ね。
お値段約30,000円。
1940年代に作られたものなので80年近く昔のもの。もうね、防虫剤の匂いが強烈。80年前に作られてからずっと眠ってたんだからしょうがないんだけど、匂いがとれる気がしない。それにしても冷静に考えると80年前って凄いよね。まさにVintage。

そんな骨董品なコートなんだけど、昨今人気が出てきているため値段も上昇傾向。特にショート丈のダブルの方は人気が凄くて今でもかなり高額。(10万とか20万とか、鬼のような高価格。)
筆者はロングコート好きなもんでロング丈のシングルの方がずっと気になってて、お値段がこれ以上高騰しないうちにと今回購入。

フランス軍 M-38 モーターサイクルコートの特徴
一応このコートの魅力というか特徴を語っておくと、
1.まずはロング丈で身幅がでかいこと。
ガバッと羽織る感じで着られて中にも着込めるという今の気分にぴったりな形。
更にラグランスリーブで、かつ昨今流行りの一枚袖だからサイズもクソも関係無く肩のラインに沿って袖が落ちてくれる。
(↑訂正!ウソ言った!正確には一枚袖では無く、”袖の前後” で縫ってあるので、袖は2枚で縫い合わせたもの。ただ肩のライン部分には縫い目が無いので、一枚袖”風”に肩のラインに沿って袖が落ちてくれるのは本当。)
ちなみに肩のラインに沿って袖がキレイに落ちてくれるかどうかは、オーバーサイズのコートを違和感無く合わせるためのコツだったりする。肩のラインに縫い目があったり、セットインスリーブのコートをオーバーサイズで着ちゃうと肩が出っ張って見えて、デカい服を着せられてるように見えちゃうので注意が必要。肩が落ちる仕様になってるとデカさが緩和されるので、オーバーサイズでも着やすくなる。写真を参照してもらうと分かりやすいかも。
そんでコートはそういう肩が落ちる仕様になっているので、オーバーサイズで生地も硬いんだけど着られてる感が出ず、着こなしが簡単。着丈と袖丈だけ気にすれば細かいこと気にしなくてOKなのがとってもいい。
ということで特に欠点無しの良いコート!と言いたいところなんだけど、何故か少し袖丈が短い。着丈に対して妙に袖丈が短いのよね。なんでだろう?ここはやっぱり気になるので、袖を少し出すお直しができないか検討中。ヴィンテージに手を入れるとか正気?って言われそうだけども、いいのよ。納得いかないものだと着なくなっちゃうからね。
2.次に良いのが生地。
ガシガシに硬いコットン地で、もう見たまんまのミリタリー感。
アジ出まくりの生地なのでのっぺりしたような寂しい感じは全く無く、これ一枚で十分過ぎるくらい派手で存在感があるので、着こなしが楽。
当たり前だけど最初から経年変化しているという、このへんが古着の分かりやすい魅力かもしれない。
3.そしてなんといってもシルエット
そしてこの体型を拾わない硬い生地と、肩に沿う袖と、広い身幅が合わさって形成される綺麗なAライン。素敵よね。
4.最後がデザイン。
このコート、何故か襟の部分がかわいい。襟を寝かせて着るとちょっと女性的なかわいさが出る。
ザ・ミリタリーな男くさい生地で出来た軍服なんだけど、この襟とフワッと広がるAラインで女性っぽさとかわいさが同居しているという妙なバランス感がとってもイイ。
1940年とかドイツにボコられてて大変だったろうに、軍服のデザインに凝ってるあたりがなんというか流石おフランス?

ということでマニアックではあるものの、大変着やすいおススメのコートなのであります。
コーディネートはきれいなパンツと合わせましょうね。

値段の高騰がエラいことになってきてるVintageの世界
それにしても久々に軍モノの古着を見たのだけども、値段の上がり具合が凄い。人気あるのね。
特にフランス軍のM47(パンツの方ね)とか。
サイズにもよるけども、小さいサイズで後期型だと70,000円とか、前期型でも50,000円台半ばとか、「は?」っていう値付けになっててほんとにビビった。前の冬あたりで20,000円ほど相場が上がったらしい。
少し前まで1万円台で買えたものなのに、さすがにちょっとひく。
70,000円ってハイブランドじゃあるまいし、どんなおズボンよ?
古着は今から生産できるものじゃないから数に限りがあり、需要が高まれば値段が上がるのは理屈では分かるものの、それにしても適正な値段ってのがあると思う。
どうせならレプリカ的なものではなく本物がいいっていう気持ちは誰しもあると思うけど、70,000円ってもはや普通の人がズボンに出せる値段じゃない。なんだろう、この一線を越えた感。
もはや骨董品的な、出費を惜しまない一部の愛好家が楽しむような領域に突入しつつあるんだろうか。そうなると古着屋さんも顧客層を変えなきゃいけないよね。
それとも日本人の一般ピーポーの所得水準だから高いと思っているだけで、世界中の愛好家の皆さんからすると全然余裕な値段なんだろうか。う~~~ん。
ということで、フランス軍のM38モーターサイクルコート、大変おすすめです。値段がおかしなことになる前に、もし欲しいなら今のうちに買っとくことをおすすめします。
特に自分に合うサイズに出会えたら、次は無いと思って即購入がよろしいのではないかと。
以上です。