前回の話の続き。
引き続き注目の大統領選挙。
よその国の大統領とかどうでもよくね?という意見もあるかもしれないけども、一応グローバルに商売やっている会社の人間としては全然無視できない。というか隣の国、しかも超大国で同盟国のアメリカの大統領が誰になるかって話が日本と無関係なはずがないし、国際的に商売やってればなおさらである。
ちなみにこれを書いている時点で、ミシガン州の最高裁が選挙不正を実証する証拠があるから再集計を勧告しろと言ってたり、ペンシルバニア州では議会が選挙人を選出するとか、クオモが小早川とか、流れが大きく変わった感がある。
ただ、トランプ大統領が再選しても、バイデン候補が大統領になっても、米国の対中政策はあんま変わらないという話もあるので、どっちにしても米中戦争が本格化して支那大陸がぐちゃぐちゃになる可能性はある。
ポンペオ国務長官が中共のファイヤーウォールを潰すとか言ってたり、中国をドル決済システムから追放するとか、まあ無茶を言うってか、なんかもう本気で殺しにかかってる感じ。
核保有国同士でドンパチ始まるとかマジで?って感じだが。。

色々と先行きの想像はできるものの、実際のところどうなるかは誰にも分からない。
しかし支那大陸にリスクがあることだけは間違いないし、企業としては無視するわけにはいかない。大企業であっても所詮は民間企業。やれることは与えられた環境の中で最善を尽くすことだけ。しっかりとリスクを想定して備えないといけない。
ほんじゃあ日本のメーカーは具体的にどう備えましょうか?というのが今日の話。
日本メーカーのリスクヘッジ
ぱっと思いつく限りで怖いのは、資産を中共に没収されること。
同時に現地の日本人赴任者が抑えられて人質にされること。
直接的に没収されないとしても買掛債権を踏み倒すという方法もある。
とするとメーカーの立場で考えられる対策はこんな感じかな↓。
- 物理的に中国大陸で在庫を持たないようにする。香港もダメ。
- 新規の設備投資は極力しない。新しい生産拠点は中国以外の拠点で投資する。
- 生産拠点を中国の外に移す。東南アジアや日本に移す。
- 生産拠点をそのまま移せない場合は、中国の外でも製造できるようにする。中国だけでしか製造できない、という状況を避ける。
- 生産委託先の工程が中国にある場合は、他に移すように交渉する。ダメなら委託先を変える。
- 売掛金の回収期間を限りなくゼロにする。なんなら現金即日払い!くらいの条件にする。
- 現地の赴任者を極力減らす。残った人と家族に関しては日本大使館と連携して有事の際の脱出計画を練っておく。
- 中国株に投資してるならさっさと売る。債権持ってるならとっとと売る。
要は支那大陸に金目の物と人を置かない、今あるものは極力減らすってことかと。(ちなみに上記のうちのどれかは、筆者が勤める会社で実際に始めていること。)
しかしいまどき生産活動のサプライチェーンで中国と無関係でいられるはずがないので、全部把握した上で優先順位をつけて重要なところから潰していくのが現実的だろう。
既にもうがっつり投資しちゃってて抜き差しならない会社さんはご愁傷様。パ〇ソニックさんとかね。せめて赴任者を減らすとか、人的被害を抑えることを優先して考えて欲しいものである。
一番きついのは、付き合わされてるベンダーさん。自分達でコントロールできない状況に置かれてる企業が一定数いると思われる。せめて発注企業は、納入のリードタイム伸ばして日本生産でも対応できるようにするとかして欲しい。まあ願望に過ぎないが、一蓮托生はひどかろう。。
とまあ言うは易しなのだが、日本の多くの製造業は中国無しではもう成り立たなくなってると思われる。製造業の技術力なんてものは製造現場があればこそのもので、そもそも支那に現場を移してしまった時点で日本の技術力は取返しがつかないくらい落ちてしまっている。
特に電機業界界隈では、支那なら作れるけど日本じゃもう作れないなんてものはザラにある。
だから一番大きなリスクはそこにあるのだが、こればっかりは短期的にはどうしようもない。時計の針は巻き戻らないので、徐々に製造現場を国内に戻していくとか、中長期的に取り組まなければいけない課題である。
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改めて書いてみて思うが、やっぱり香港があんなことになってしまったのは日本企業にとってはかなりの痛手だ。
ぶっちゃけ今までだって中国本土に置くのが危ないから香港に拠点を置いて、在庫も香港で持ってるという会社がたくさんあった。それが中国化された時点で、こりゃやべぇって話になり、外資が逃げようとするのは当然の動きだろう。そう考えると、中共がやったことは悪手である。現実問題、誰もお前らなんか信用してないという話。
やれべきことからコツコツやっていこう。たぶん、極力早く対応したところが生き残ると思う。
以上っす。