住環境

神戸ってどんな街?これからどうなるのか?を考えてみた話

筆者は兵庫県南部出身のため神戸とはそこそこ縁があるのですが、神戸市が市の中心部でのタワーマンションの建設を規制する条例の施行を目指しているとの報道がありました。市の中心である三ノ宮駅周辺では原則タワーマンションは建築不可となるようで、神戸を大阪のベッドタウンにはしないという神戸市としての方針が背景にあるようです。

阪神大震災以来、筆者が関西に居た頃から衰退著しい神戸ですが、このニュースには思うところがあるので、今日はその話をしたいと思います。

神戸のイメージって?

近畿地方の主要部である京都市、大阪市、神戸市を指す地域名称として京阪神という呼び方をしますが、それぞれ都市圏を形成しており、それぞれ違った特徴を持っています。京都は言わずと知れた古くからの政治の中心地。大阪は江戸時代は天下の台所と呼ばれ、全国からの物資の集積地であることから商業が発達し、歴史的に日本経済の中心地でした。古くから民間の手で運営、発達してきた都市であるという、お上に頼らない独自の気風を持つ都市です。

じゃあ神戸は?どんなイメージでしょうか?港町?夜景が綺麗?おしゃれな街?

神戸ってどうやって発達したの?

政令指定都市で人口は約150万人で国内7位。兵庫県の県庁所在地で、兵庫県内では最大の人口を有した、近畿圏で大阪に次ぐ大きな都市です。

飛行機がなかった時代の物流は当然船舶で行っていたわけですが、国内物流の中心地大阪に対して神戸は国際物流を担う港としての役割を持っていました。なので世界に対する日本の玄関口として発達しました。領事館ができたり、外国の会社が日本支社をおいたりといった具合に。

そして大阪は商業の中心地として発達しましたが、その大阪の大商店のオーナーが住んだのが神戸市に隣接した芦屋です。お金持ちの街として有名な町ですね。(特に芦屋六麓荘なんかは有名です。あれ?ここ日本だよね?と思わず言いたくなるような、でかいお屋敷が並んでます。別世界感が半端ない町です。)要は大阪のベッドタウンとして発展したということです。

また、神戸港からは外国の珍しい品物が入ってきます。舶来品ってやつですね。それらを買うのがその芦屋のお金持ち達で、そうすると必然的に神戸には舶来品を商品として扱う商店が発達します。

そのような経緯を経て神戸は異国情緒あふれる街として発達し、おしゃれ、ハイセンスなイメージを得ていきます。

それらに加えて、日本の工業の発展に伴って阪神地域に製造業の事業所が増えていきます。

企業が集まることで周辺もベッドタウン化していきます。西神ニュータウンなんかが有名ですね。(神戸市のベッドタウンとして作られた町で、中心部から市営地下鉄でだいたい30分ほどの距離にある町です。)

そのようにして近畿の大都市として発展してきました。

今の神戸ってどうなっているの?

①大阪のベッドタウンとして発達。加えてそこに住む大阪の大商人向けの商売が発達。

②国際的な港として発達。外資系企業の拠点が多数できた。

③阪神工業地帯の発展に伴って発達。

大雑把に言って神戸を大都市にした要因はこの3つなのですが、今これらがどう変化したのか、順番に見ていきましょう。

まず③ですが、阪神地区の工業なんてのはもう明らかに衰退しています。製造業の海外移転と日本の製造業の空洞化は言われて久しいですが、もろにその影響を受けています。製造現場に限らず、本社機能なんかも東京に移ってしまっていますし、P&Gに至っては神戸に見切りをつけて(というかアジアの中心としての日本に見切りをつけて)シンガポールに移転してしまいました。神戸に残っている大企業ってどこだろう。神戸製鋼、三菱重工、川崎重工くらいかな。。

次に②ですが、現代の世界に向けた玄関口といったら国際空港です。関西国際空港が計画される前に、国際空港を神戸に作ろうという案もあったのですが当時の市長(共〇党系)の強硬な反対で頓挫しました。そして関空にお株を奪われた時点でアウトです。国際都市としての立ち位置はとれず、当然外資系企業にとっての魅力もありません。

そうすると残るのは①です。そこで冒頭の話に戻るわけです。そう、市の方針として大阪のベッドタウンになることを否定しているわけです。

ビジネス街としてはNG、ベッドタウンになるつもりはない、じゃあ観光は?おしゃれな街なんだからインバウンド観光で勝負できるはず!

データ一覧 | 日本の観光統計データ | 日本政府観光局(JNTO)

観光もダメ、全然ダメです。そりゃあ当たり前でしょう。神戸の観光資源は北野坂にある異人館とか、港の方に下って行ったところにある古い建築物なんですよね。確かにキレイで異国情緒があり、日本人にとっては観光の対象になるかもしれませんが、日本にある西洋風建築って外国人にとってはまあ微妙でしょう。自分が外国人だったとしたら、和風の建築物だったり日本でしか見られないものを見たいですよね。わざわざ神戸に来て異人館を見るより、京都や奈良に行くでしょうって話です。そもそも関空からの交通の便が悪いし。そして行けば分かるんですが、神戸中心部と言っても全部がオシャレなわけでもなく、大部分は普通の生活感あふれる下町だったりします。わざわざ高いお金を払って観光で行くほどの街ではないんです。

どうでしょう、八方塞がりな状況とご理解いただけたでしょうか。

そして地盤沈下が止まらない

以前は神戸より西の地区、明石とか加古川に住む人達がハレの日に買い物に行く場所といったら神戸、という時代がありました。しかし今や神戸にそんな魅力は無く、何とかインバウンド需要で盛り返してきている大阪に出た方が品揃えも豊富で活気もあって楽しいわけで、大概みんな神戸はスルーして大阪に行くようになっています。

ビジネス街としてはNG、観光地としてもダメ、ベッドタウンにもなりたくない、近隣地区の買い物客も大阪に取られて来ない。ダメダメやん、どないすんねん、と。

ベッドタウンとしての神戸の魅力

話が戻り、今回言いたかったことはこれなんですが、そもそも神戸って成り立ちから考えると大阪商人のベッドタウンとしての側面が強いわけです。元をたどればベッドタウンというか大阪の衛星都市なんです。それが何を勘違いしたのか、自分が経済の中心地と思い込み、西神ニュータウンとか自前のベッドタウンまで持ってしまった。日本経済が右肩上がりのときは、何もかもが足りていない、供給が足りてない状態なので拡大路線でいけたんでしょう。そうではなくなった途端に化けの皮が剥がれたという、そういうことなんだと思います。

そもそも神戸って住むには良い街なんですよ。海の間際まで山があり非常に狭い平地に住宅や商店、都市としての機能が集約していて便利、街並みはそこそこキレイ、昔からご飯も安くて美味しい、(三宮駅周辺とか、歩ける範囲で十分に日常生活は楽しめます。絶品スイーツが味わえるカフェとか、東京なんか目じゃないくらいコスパ最高です。)快適な都会生活がおくれる、とっても住みやすい街なんです。しかも電車で30分のところに日本有数の温泉街の有馬温泉もあるし、大阪へのアクセスも良いし、ブランドステータスも一応まだある。だから中心部にタワーマンションがぼこぼこ立つし、それが売れてきたわけです。そういう住んで楽しい街として人をひきつけ、人口が増えれば活気も戻ってくるはずです。

ベッドタウンがルーツであり、ベッドタウンとしての魅力が原点だし、持ち味なんですよ。

「そんなのプライドが許さない!あくまで神戸はビジネスの街として洗練された場所でありたいんだ!」というのが神戸市政に関わる方々の考えなんでしょうけども、原点回帰が街としての魅力を回復させる唯一の方法だと筆者は思います。

ただし、もし神戸の中心部をベッドタウンにしたら、神戸のベッドタウンとして設計された西神ニュータウンなんかはゴーストタウンになるでしょうね。そして神戸市政に関わる皆さんはこういった地域に住んでるわけで、おそらくは自分達が住む場所がゴーストタウンになることが分かっているから、神戸市中心部のベッドタウン化に反対しているという側面も、あるんじゃないかなと思います。この辺はあくまで想像ですが。。

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以上、神戸の先行きを憂う筆者の独り言でした。

これは2019年9月時点の話です。さて、未来の神戸はどうなってるんでしょう。このまま衰退するのか、ベッドタウンとしてまた違った魅力を持った街になるのか。

ではでは。

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