唐突ですが皆さんカットソーって普段どのくらい意識して選んでいますか?ファッションにおいてはベースになるアイテムだし凝る人は凝ってたりするけど、意外と選び方が良く分からないし、よーく観察しないと違いが見えてこなかったりもします。
そこで筆者の手持ちのカットソーから分かりやすく特徴のあるものをピックアップ。比較してご紹介しつつ、良いカットソーってなんだろうと考えてみようと思います。
Contents
The Reracs ベーシックTシャツ
まずはこちら、The Reracsの定番、ベーシックTシャツ。
外部リンク<The Reracs ベーシックTシャツ>
定番品の展開が多いThe Reracsですが、こちらも気づけばずっとある気がする定番品。目の詰まった、厚みがしっかりあって張りもある生地で、糸にシルケット加工を施してあるのかつやつやすべすべの質感。表面の美しさはかなりもの。The Reracsらしい、分かりやすく高級感のあるカットソー。
直営店のスタッフさん曰く「いくら使い込んでも全然よれず、風合いも落ちづらくて丈夫。うちの隠れた名品。」だそうです。ふーん(* ̄- ̄)と思って買ってしばらく使ってみたんですよ。2年くらいかな。確かに仰る通り悪くならない。 肩部分の縫い方もシャツの縫製の仕方?か何かでよれない工夫がしてあるそうです。

2年使った筆者の私物でサイズは48
ドレープ感があるんですが伝わりますかね
着てみるとよく分かるんですが、大変上品かつ色気のあるカットソーです。生地は上で書いた通り高級感抜群。で身幅はそこそこ広めなので、ひらひらと綺麗なドレープ感が出るんですよ。
そしてネックのバインダー部分が太くしっかりしており、詰まった形になっています。この詰まった首元が上品さを強調しており、更に首回りが少しだけ横に広い。なので完全に首元が詰まってはおらず、適度に肌が見えるような仕様になっています。これはもう狙ってやってるとしか思えないんですが、非常にThe Reracsっぽいデザインなんですよね。上品さと色気の両立って感じ?

立体感が感じられる
上下には詰まっているけど、横に少し開いているネック

ひらひらっとした色気があるのが分かりますかね
この写真じゃ難しいか。。
たかが白いカットソーなんですが、ブランドらしさが如実に現れているところが好きです。よくできてるなぁと。ちゃんと作られている白カットソーって、どこでも買えるようでいてそうでもない、それぞれにしっかりと個性があるのが筆者的偏愛ポイントです。
このカットソーで不満なのが、洗濯した後のしわ。洗いざらしで着れなくもないんですが正直きれいなしわではなく、ただ汚く見えてしまうので本来の美しさが大きく損なわれるんですよ。じゃあいちいちアイロンかけるかって言うと、それも面倒。そこだけがね、もったいないんですよ。なんとかならんかな。スチームアイロンを買おうか真剣に悩んでます。
また、生地に張りはあるんですけど、ひらひらしていて硬くはないためどちらかというと体形を拾う生地感です。これは好みもあるんでしょうけど、誰でも一枚で着てかっこいいかというと、それは難しいかも。細めの人の方が似合うと思われます。
そしてお値段は11,000円+税。ドメブラの相場価格ですが、まあ好きじゃないと買わないよねっていうお値段。しかしこの生地感なら安いんじゃないか?とか思って躊躇なく買ってしまう筆者はたぶんどこかのネジが飛んでます。
Kazuyuki Kumagai ギザシルキー天竺クルーネック カットソー
次にご紹介したいのが、Kazuyuki Kumagaiのギザシルキー天竺クルーネック。近年は毎シーズン展開している定番品です。写真は半袖バージョンで、長袖バージョンもあります。 これもシルケット加工が施されていて生地表面は光沢があってツヤツヤ。白よりも色がある方がツヤツヤ具合がはっきり分かります。

ギザシルキー天竺クルーネック
2年使っているとは思えない風合いを保っています
こういうシルケット加工が施されたカットソーって最近多いですし、近年の高級カットソーの基本みたいになっていてそこまで珍しいものでもないのですが、これの特徴はまずは厚くて丈夫なところ。他ブランドのカットソーと比べても圧倒的に厚く、それが故に全然へたってきません。加工と生地の良さのおかげなのか表面の風合いも全然変わらず、筆者も買って2年半くらい使ってますけど全く問題なく使えているという、白カットソーにしては破格の耐久性。

開いてもいない普通の首元
もう一つの特徴は、生地が厚くて張りがあって硬く、更にシルエットが身幅広めのボックスシルエット気味なので体型を拾わないところ。カットソーだけで自律して格好を保ってくれるので体型を気にせず着れます。このタイプのカットソーだとAURALEEのスタンドアップTシャツなんかも有名ですね。そして生地は硬めなんですが表面はシルケット加工で肌触りが滑らかになるよう加工されているのでごわごわしたりといった不快な感じは全くありません。

なんとなーく分かりますかね。。
過去のモデルでは裾にスリットが入っていたり胸ポケットがついていたり、原料が違っていたりと細部に違いはあれど、この厚く硬めの滑らかな生地で体形を拾わないカットソーというコンセプトは長く定番化されています。
不思議なのが、ボックスシルエット気味でそこまでスタイリッシュなデザインでもない白カットソーなのに、どことなくモードな雰囲気があるところ。何故なのか理由はさっぱり分からないんですが、その辺も流石は老舗デザイナーズブランドってことなんでしょう。ほんと不思議。何故なんだろう?
とまあ色々な要素が相まって非常に高い完成度を保っているという名品です。定番化されるのも分かる気がします。もうめちゃくちゃ使い易いですもん。写真は洗いざらしの状態なんですけど、しわの入り方が自然で汚い感じはしません。そのあたりのイージーケアなところも
弱点らしい弱点が見当たらないんですが、あえて挙げるならThe Reracsのカットソーのような色気が若干足りないところはあるかもしれません。しかしまあ生地からしてそういうものではないし狙ってもいないと思うので、そこまで何でもかんでも求めるのもちょっとおかしな気がします。限りなく100点に近いと言っていいと思いますね。
あ、あと生地が硬いので畳んでいると強めに折りじわが入ります。ハンガーに吊るしておくのがベターです。
そしてこれもお値段11,000円+税。まあこれが相場ですよね。高いけど。
ユニクロ ドライカラークルーネックT
3つめはこちら、ユニクロのド定番、ドライカラークルーネックT。
外部リンク<ユニクロ ドライカラークルーネックT>
ユニクロのカットソーってスーピマコットンだったりユニクロUのものだったり、ほんとに色々あるんですが正直どれも及第点の良品ばかりです。
どれも本当になんですがあえて言うと、スーピマは少々生地が薄いため必要以上に体形を拾ってしまうように感じますし、ユニクロUのものは生地の厚みはそこそこあるんですがちょっとがさっとした質感でシルエットも若干カジュアル感が強めのところが欠点と言えなくもない。
で、色々と使い込んでみて一番バランスが良いのがこれかな、と感じているのがドライカラークルーネックT。ほんとにごくふつーのTシャツなんですよ。なんですが、袖が小さめの作りになっていたり、洗いざらしでも全然しわにならなかったり、意外と首回りが頑丈でよれなかったり、薄すぎもせず厚すぎもしない生地だったり、洗濯を繰り返しても風合いの劣化を感じにくかったりと、色々なところが高いレベルでまとまっていて完成度が高い。

ずっとやってるド定番品だけあって
非常に高い完成度

あんまり風合いも悪くなっていません
もっぱらインナーとして使っていますが、夏場に一枚で着てもおかしくないと思います。黒も何気におすすめ。黒いと風合いも分かりづらくなるので高めのブランドと比べても遜色なく感じます。なにより魅力的なのがそのお値段。590円+税って破格のコスパの良さ。なんだったら1月くらい着たら買いなおしてもいいくらい。筆者は3枚を常にストックしています。

見た通り袖が小さめで
シルエットが良く見えます
ただ生地は柔らかいのでKazuyuki Kumagaiのものと比べるとどうしても体形は拾ってしまいます。また生地の風合いも上記2つと比べると大きく劣りますし、色気のあるデザインにもなっていなければモード感も感じない、そういう特別な個性はない良くも悪くも普通のTシャツです。
ってかまあこんだけ値段が違うんだから、品質も違って当たり前でしょう。
まとめ いいカットソーってなんだろう?
とまあどれもそれぞれに良いものなんですが、大資本のユニクロと中小のデザイナーズブランドでは生産能力が圧倒的に違うのは当然でしょうし、販売力も圧倒的に違うので価格の差にフォーカスして比べてしまうのはフェアじゃないように思えるんですよね。。
で、あくまで筆者の独断と偏見ですが、使い易さってところにフォーカスすると体形を拾わないって重要な気がするんですよ。特に中年に片足突っ込みかけてる男性にとっては、硬い生地によってカットソーだけでそこそこのシルエットを作ってくれて高級感もちゃんとあるって非常に助かると思うんです。よって個人的にはこの中だとKazuyuki Kumagaiのカットソーがいいんじゃないかなぁと思います。
しかし高いんですよねぇ。価値はあるものなんですが、どこまでその価値に重きをおけるかって個人の価値観ですからね。
もしご興味があるならおすすめです!
ではでは。