ファッションの話

洋服のサイズ感について考えたこと

最近、個人的に洋服を買うときサイズを上げて着崩すことが多い気がします。

またインスタに着画を投稿していて、一番多いコメントがサイズについての質問なんですよね。

今日はそんな洋服のサイズについて考えた話です。

サイズを上げて着崩すってわりと昔からある手法

大きめに着て着崩しを楽しむって、今がそういうトレンドだからってことでもあるんでしょうけど、昔からある洋服の楽しみ方の一つとしてわりとポピュラーな手法だと思います。

例えばこれとか、ヒューストンのモッズコートという昔からある王道アイテムを大きめサイズで着ています。

ヒューストンのM-51パーカー
俗に言う青島コート
Mサイズですけどアメリカンサイズなので
オーバーサイズ
筆者の場合はジャストサイズはS

※モッズコートについての詳しい解説はこちら↓併せて読んでみてください。

ゆるっと着た方が雰囲気出ると思ってわざと大きめで着てます。

サイズを下げてSサイズにするとジャストサイズになるのですが、トレンド感も無くなるし着崩しが無くなるので、おしゃれさが損なわれます。

これとかもそう。COMOLIのタイロッケンコート。サイズ2がジャストなんですが、サイズ3にして着ています。

COMOLIのタイロッケンコート サイズ3
サイズ2でもいけるんですが、あえて大きめで着てます

クラシックな生地なのでジャストサイズで着ると仕事着感が出てしまいます。なのでわざとカジュアルさを出すためにサイズを上げています。

※コモリのタイロッケンコートについての詳しい解説はこちら↓併せて読んでみてください。

こんな感じで服のサイズを上げ下げして好みの着こなしになるように調整することってよくあります。

スキニーパンツ(最近履かないなぁ)とかだと、サイズを下げてフィット感を強く出したり、カットソーのサイズを下げてをコンパクトなサイズ感にしたりとか。

ジャストサイズが見た目の上で必ずしもベストにはならないってのが、カジュアル衣料品の面白さなんだと思います。

スーツや礼服は違いますよ。スーツや礼服は寸法を合わせて着るのが正解です。

失敗したZOZOSUIT

そもそもカジュアル衣料におけるサイズの概念というのは、このように適当というか曖昧なものです。(ってかそういう遊びが効くからこそ”カジュアル”ってことなんでしょう。)

既に色々なところで言われている話ですが、ZOZOSUITの失敗の大きな要因がこれでしょう。

そもそもカジュアル衣料において精度よく計測して厳密なサイズ感やフィット感を求める必要性は、ほとんど無いということ。

そしてその計測結果は目安くらいにはなりますが、ZOZOSUITに興味があるような人ってそもそもサイズ感を把握したいと思っている時点でファッション中級者もしくは上級者ですから、自身のサイズ感の目安は分かっている人でしょう。

だから今更計測してサイズ感の目安が分かっても既に知っていることの確認作業くらいにしかならないから、顧客価値は大きくないはずです。

シュミレーションあるあるですね。想定の範囲外の結果だったら信用してもらえないし、想定の範囲内の結果だったらそもそもやる必要ないじゃん、っていう。

特にメンズは周囲を眺めれば分かると思いますが、サイズ感を把握することの意味なんて、そもそも分かってない人が大多数です。

なので本当はそういう人達に体形計測の需要があるはずなんですが、そういう人達は試着すらしないような”サイズ感って何?”って思っている人達なので、体形計測をしようという動機が無い。(特にパンツは試着を億劫に思う人が最近多いそうです。)

どういう人を顧客にしたくて、その顧客にどんな便益を提供したいのかってことがハマってないと、どう頑張っても上手くいかないということなんだと思います。

当たり前の話ではありますが、なまじサービスがテクノロジーの面で尖っていると、それが見えなくなるのが当事者ってもんです。優れたものだから普及するはずっていう、思い込み。よくある話です。

ZOZOSUITに関しては当初から胡散臭さが漂っていましたが、廃棄ロスや過剰なセールといったカジュアル衣料品業界の悪癖を無くしたいという志は全然間違っていないと思います。

むしろそこはいち消費者として引き続き応援したい。

ZOZOだけではなく事業者の方々には果敢に挑戦して欲しい課題ですね。

ZOZOSUITを体形管理に使いたい

この投稿を書いていて思ったのですが、ZOZOSUITの機能って体形管理に使えそうな気がしますね。

ダイエット中の人が、体重だけじゃなくて体形がどう変わったのか、理想の体形にどれだけ近づけたのか、といったことを細かくモニターするような、フィットネス用途の方が実は相性がいいんじゃないでしょうか。

例えば芸能人とかモデルとか理想の体形をデータ化しておいて、そのデータと自分の体形を計測したデータを比較して、ここをこう鍛えれば理想の体形に近づける!とか、そういうトレーニングやフィットネスでのデータ取得に利活用できるのでは?と思います。

筆者は長く筋トレをやっていて、その間の体重は体重計を使ってデータとして認識できているし蓄積もしているのですが、体形に関しては鏡を見て見た目で確認するしかないんですよね。

なのでそれが簡単に数値化できるともっと精度よく管理できるので嬉しいかもしれません。

本当は販売員さんにサイズのアドバイスをして欲しい

別にZOZOSUITをけなしたいわけではないので話を戻しますが、そういうサイズ感の細かい違いって着てみないと分からないことが多いんですよね。

着慣れているブランドとかならなんとなく分かりますけど、やっぱり試着するに越したことは無い

なので筆者はどうしても通販で買うことに抵抗があって、お店で試着して買うことがほとんどです。

しかしそうは言っても頻繁に試着に行ける範囲にお店があればいいんですけど、高い電車賃をかけてお店に行かなきゃいけない人にとっては、試着できる回数ってほんとに限られると思います。

だからこそ実店舗の販売スタッフさんのアドバイスって凄く貴重なんだと思うんです。

良く分かってる販売スタッフさんから、サイズ感とか裾上げとか、お客として”間違えたくない”と思ってることに客観的で適切なアドバイスをもらえて納得感を得られるってすごく大事。

一応分かってるつもりの筆者でもそう思いますもん。

客観視って難しいものですから。

経験上、良く理解されている優秀な方ほどはっきり意見するし、新しい発見をさせてくれたりします。

これだけ通販が発達して大抵のものはお店に行かなくても買える世の中ですが、だからこそそういう“行って話さないと得られない知恵を持っている″優秀な販売スタッフさんの価値はむしろ上がってるんじゃないかと思います。

売る側にとって、お客が不愉快に思わない程度に話をするって難しいことだと思うですけどね。

優秀な良い販売員さんが増えることを切に願います。

ではでは~。

こちらの記事もおすすめ!