電機業界と会社の話

新型コロナで自宅に帰れなくなった単身赴任のおじさんの話

東京での新型コロナの感染者数は減り続け、今や一日で数人といったレベルになってます。

数十人に増えたとしても医療機関での集団感染が原因だったり、素人目にも「それもう、コロナほぼ消えてんじゃないの?」と思う一方で、これから冬になる南半球では感染が拡大傾向にあり、やっぱり寒くなると再流行するんだ、という説もある。

とはいえ、この状況下で東京アラートって、それもう小池百合子の選挙対策じゃないの?と思わなくもないし、少なくとも筆者は一人の生活者として感染リスクをあまり感じなくなってるのも事実。

感じ方は人それぞれですけど、東京はそういう雰囲気になってきてるんじゃないでしょうか。

自宅に帰れない単身赴任のおじさん

筆者の会社はまだ在宅勤務を継続しているのですが、先日東北から単身赴任で来ている50代の同僚(Aさん)と久々にオンラインでの打ち合わせをやったときのこと。

筆者「Aさん、お久しぶりですね!今どこにいらっしゃるんですか?

Aさん「会社の近くの、一人暮らししてるアパートだよ。

筆者「あれ?東北のご自宅には帰ってないんですか?

Aさん「うん、帰ろうとしたんだけど、結局帰れなくてね。県をまたいでの移動は自粛してくださいってなってるじゃない?で、自宅のご近所さんも、俺が東京で単身赴任していること知ってるからさ。こんなときに家に帰ってご近所さんに見られたら、何言われるか分からないから、帰ってくるなってカミさんに言われちゃってさ。

筆者「まじすか。そりゃあれっすね、村八分みたいになるのはキツいですもんね。

Aさん「そうそう、まあ帰ってもご近所さんに見つからないようにとか、人目を避けて生活するのはイヤだからねぇ。

なるほど、納得。

しかしこう、言われて気づいたけども、こんな感じで自宅に帰れなくてアパートに閉じこもってなきゃいけない、単身赴任のおじさんが日本にはたくさんいるのかもしれない。

同僚と飲みに行くってわけにもいかないし、一人でスナック行くわけにもいかないし、ってか飲み屋やってないし、まさか〇俗に行くわけにもいかず、デ〇ヘル呼ぶとかあり得ないし、ただでさえ単身赴任なんて孤独なのに、更に孤独な状況ですよね。

こんな状況で働けるだけでもありがたいと思え!とか言われちゃいそうですけども、単身赴任のおじさん達のためにも、早く県をまたいでの移動自粛が解除されて欲しいです。

コロナの感染拡大を防いだ日本人の公共心と価値観

コロナにかかって村八分にあった、という話を聞くと、旦那に「近所の目があるから帰って来ないでくれ」というのも全く理解できる話。ってか当然でだよね、という。

これって自粛警察とかも根っこは同じで「共同体に不利益を与えるやつは絶対許さん」という価値観からくるもので、立場が変われば「共同体中で冷たい視線を浴びることに強烈な恐怖を感じる」ということになるわけです。

「そんなのは当然のことだ、常識だ」と思うのか「21世紀になっても村八分とかやってんのか、まじ終わってんな」と思うのか、捉え方は人それぞれでしょうけど、良くも悪くもこの価値観が、日本人的な公共心を形作っていることは間違いない。

そして既に色んなところで語られてる話ではあるけども、この公共心が、日本でコロナの感染が拡大せずに済んだ大きな要因でもあるわけです。

罰則規定の無い、単なる自粛の要請であっても、世間から爪弾きにされるのが何よりの罰則である限り、強力に自粛をするのが日本人の価値基準であり、美徳ってもんです。

これを窮屈に感じて都会に出たいなぁと思う人は昔から多くいるし、筆者もその一人だからその気持ちは大変良く分かる。

けど結局都会に出てきても、大学のサークルとか、バイト先とか、職場とか、趣味の仲間内とかでムラ社会を形成して、その中で浮くのを怖がってるってのもよくある話。

都会は人が多い分だけ、所属するムラとか世間を自分の意志で取捨選択できるのが良いところだけども、日本にいる限り田舎だろうと都会だろうと、この価値観からは本質的には逃げられないということでしょう。

上手く付き合い方を考えれば、そんなに悪いことばっかりでもないしね。

今日はここまで。ではでは~。

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