電機業界と会社の話

仕事ができる人とは ”仕事のシナリオを書ける人” のことである

世の中には色んな人がいるし、色んな仕事があるし、仕事への取組み方も様々である。特に現代は物事が複雑化していて、変化も激しい。

だからなのか、自分の仕事が何なのか、自分が何をしていて誰の何の役にたっているのかってことが分かりづらくなっている気がする。

特にホワイトカラー的な仕事は分かりづらい。

筆者はそれなりに規模の大きな職場でホワイトカラー的な仕事をやっていて、周りを見ていて気付くのだが、会社の中で求められる役割とか仕事が何なのか、分かってない人が結構な割合でいるように思う。

だからこそ、それを的確につかめたら意外と簡単に高い評価を得られるし、出世できたりもする。つまりは自分の参加しているゲームのルールを理解すれば良い差別化できますよって話。しかしそんなことを懇切丁寧に教えてくれる人はいないのが普通。そもそもそういう発想の人が少ない。

だからみんな、英語の勉強を頑張ったり、会計の勉強をやってみたり、自己啓発本を読んだり、セミナーに通ってみたり、分かりやすい座学的なお勉強に精を出す人が多くいるように思う。

みんな真面目なのである。一生懸命勉強を頑張ってそれなりの大学を出た人ほど、勉強による成功体験があるから、座学に走る傾向があるように思う。

もちろんお勉強とスキルアップは超大事である。できないと話にならない。

しかし目的が明確になっていないのに闇雲に勉強するってのは遠回りだし、効率が悪いことも事実である。おそらく当事者が一番それを感じているのではなかろうか。

いやいやそんなこと言うけどさ、じゃあホワイトカラーが求められる役割とか仕事って何なの?何をすれば褒められるの?って話である。

仕事のシナリオを書ける人は希少価値が高い人材

ホワイトカラーの場合、仕事ができて出世してマネージャーになる人ってのは ”シナリオが描ける人” である。昔は違ったのかもしれない。なので一応 ”最近の会社だと” と付け加えておく。

シナリオを描くってのは、

  • 自分から能動的に
  • 仕事における課題が何かを捉えて
  • 解決方法の仮説を考えて
  • 対応策や進め方の段取りを考えて
  • 周囲の納得を得て巻き込んで
  • 物事を前に進める

これが出来る人が評価され、”偉い” とされるのである。

いわゆるリーダーシップってやつである。っていうか引っ張る人がいないと物事が前に進まないのは当たり前の話。スキルがあるとか無いとか、ある意味どうでもよくて、まずは物事を前に進めることが出来る人が一番偉いのである。

シナリオを描くって言っても、何でもいいから適当なことを言っていれば良いって話では無い。当たり前だが蓋然性の高いシナリオじゃなきゃダメである。蓋然性が高いってのは、実現可能性が高そうだなと周りが思ってくれるということ。当たり前だが「ほうほう、こいつの言うことはそれなりに的を射てるので協力した方が良いな」と思ってもらえるシナリオじゃなきゃダメ。

描くシナリオは自分の専門や担当領域の話だけで良い。チームで仕事をするときは、各々が自分の専門領域でリーダーシップを発揮すればいい。チームの全員がリーダーでいいし、むしろそれが理想なのである。

大事なのは、自分の守備範囲の中で何が課題かを高い目線で理解して、何をすれば解決できるのかを示せること。それができればあとは解決できる人を引っ張ってくるとか、必ずしも自分でやらなくても解決することはできる。

現代社会ではみんな「何をすればいいか言ってくれ」と思っている。”何をすれば良いか示せる人” が求められているのである。

でも “こうすれば良い” “こうしよう” と言っても必ずしもみんなついてきてくれるわけではない。みんな失敗したくないから、言ってるやつを批判するし、めちゃくちゃ値踏みする。適当な事をやると速攻で足元をすくわれる。当たり前だ。変なやつについて行ってもロクなことは無いんだから、慎重になって当然。

まあ普通に考えて、自分の描いたシナリオにみんなを巻き込んで動かすって責任重大だし、怖い話である。当然失敗すればボロクソに言われるし、どう責任とるんだって話になる。ぶっちゃけ損な役回りである。

だからみんな避ける。

だからやる人がいない。

だからシナリオを描いて周りを巻き込める、リーダーシップをとれる人ってのは希少なのである。

就活でリーダーシップをとった経験を聴くのは当たり前の話

一生懸命会社で仕事してればそんなことイヤでも分かるはずである。普通は。

しかし、何故かこのリーダーシップってのはやったことのある人じゃなきゃ分からないのである。体感しなきゃ分からないのだ。

いくら言葉で言われても全然分からなくて、人から言われたことに従うのが仕事だと心の底から信じている人達が大勢いる。そういう人に限って「自分はちゃんと仕事してるのに評価されない!」と不満を垂れてたりする。矢面に立って仕事を引っ張ってる人達からすれば、うざいことこの上ない。

一方で一度でもちゃんとリーダーシップを発揮した人なら、それがどんだけ難しいことか、重要か、しんどいことか、想像できるのである。

それが想像できれば、自分以外の人がリーダーをやってる場面でも、建設的な意見や批判ができる。

想像できないと、何が建設的な意見なのかも分からない。ただ黙ってついて行く付加価値の無い人か、不平を垂れるだけのクソに成り下がるだけである。

だから就活の面接の時に面接官は「リーダーシップを発揮したことありますか?」と聴くのである。”分かってる人” が欲しいのである。

リーダーシップとは培うもの

リーダーシップってのは培う(つちかう)ものだと言われる。

教わったり、学んだりするものじゃない。育ててもらうものでもない。

培うものなのである。

先頭に立って戦っていれば、自分に足りない知識なんてイヤでも分かる。勉強はそのときにすれば良いのである。勉強が得意なやつはここで有利になる。覚えたり理解するのが早いので、できることが増えるし、効率が上がる。

だから勉強できるに越したことはない。強力な武器になる。しかし間違えてはいけないのは、所詮は武器でしかないので、使い方を知らなければ意味が無いということ。たくさんものを知ってるから偉い、なんていう幼稚な世界は学校だけの話だ。

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シナリオを描いて、周りを巻き込んで、物事を前に進める。

これが出来れば給料が上がるし、キャリアを身に付けられるし、どこでもやっていけるし、社会人として必要とされるのである。

スキルがどうのこうのとか、セミナーがどうのこうのとか、コンプレックスビジネスに搾取される前に、目の前の仕事でリーダーシップを培うのが、たぶん一番間違いないんだろうと思う。

以上っす。

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