電機業界と会社の話

ヤバい中国リスク:2021年 製造業の最大の課題はサプライチェーン

久々のブログ更新。

筆者が会社でやっている一番大きなお仕事は、会社の予算策定なので、だいたい12月頃から始めて2月頃まで来期の予算作りをダラダラやっているのだが、なんやかんやでこの時期は忙しい。

サラリーマンブロガーだかあ、やっぱり仕事が忙しいとどうしてもブログ更新はおろそかになってしまう。。

そんな感じで最近はもう、来年からの経済動向のことで頭の中がいっぱい。どう考えても2021年が平穏な一年になりそうな気がしない。

2021年 一番ヤバいのはコロナではなく・・・

振り返ってみると今年は近年まれに見る変化の大きな年だった。新型コロナの影響は言うに及ばず、米中戦争でのアメリカによるガチの制裁措置とか「まじすか?」と多くの日本企業が思ったんじゃないか。

新型コロナの話は、引き続き困っている人はたくさんいるし影響も大きいけども、予防に努めたり対応方法が確立したり、ワクチンが作られることで終息に向かうと想像できるし、まあ電機業界的には事業の先行きを予測するのはそんなに難しい話では無さそう。

一方で相変わらずヤバいのが米中戦争。おさまる気配が無いどころかアメリカ、NATO、オーストラリア、インド、ロシアとか、寄ってたかって中国を殺しにかかってる感じ。

特にアメリカさんはHUAWEIに続いて先日、半導体製造のSMICとドローン大手のDJIもエンティティリストに追加<CNET JAPAN”米、中国のドローンメーカーDJIや半導体大手SMICをエンティティリストに追加”>。そしてついに中共によるウイグル族への弾圧をジェノサイド(国際法上の犯罪)に認定するとか<日経新聞”米、中国の虐殺認定検討 ウイグル族への弾圧めぐり”>、いよいよもって本気で中共を潰すつもりっぽい。

そして中国本土では燃料不足で絶賛大停電中とか、食糧不足で1億人が飢餓状態とか、毎日のように国有企業が連鎖倒産とか、政府に金が無くなって民間から強奪してるとか、まーーー「死んじゃうの?」っていう状態。

とっくに中国抜きでは考えれられなくなってる世界のサプライチェーン

中共も経済発展すれば国際秩序に従うだろうとか言って放置して、実のところ中共に金玉握られて取り込まれてたオバマ政権時代のツケが回ってきたんだろうけど、世界経済にがっちり組み込まれている中国が崩壊したらどうなるのか。

想像するだけでヤバいことは分かるんだけど、ほんとにヤバいのは影響範囲がどんだけのレベルになるのか、正直分からないってこと。今これが分かっている人って、ポンペオ国務長官くらい?おそらく日本の大企業の社長程度じゃ正しく把握できてないはず。

うちの会社でも、仮にバイデンが大統領になったとしても米中関係は改善しないだろうから、その前提で計画立てようという程度の見通ししか持っていない。たぶんほぼ全ての会社がそんな状況だろう。

仮に中国市場が消滅するとしても影響は甚大だし、消し飛ぶ会社とか事業部がいくつかありそうだが、その程度で終わるならある意味影響範囲は限定的なので何とかなる。対策は立てられる。

たぶん一番ヤバいのはサプライチェーン。製造業はネジ一本でも部品が足りなければモノが作れない。いまどき製造業のサプライチェーンで中国と無関係でいられている会社なんてあるはずがなく、原料も含めてどこかしらで中国で製造されたモノが組み込まれている。

中国の技術無しでは成り立たなくなっている日本の製造業

日本の技術力は高いんだから中国の力なんか無くても作れるだろう!という勇ましい意見が聞こえてきそうだが、製造業(特に電機業界)の現場を知ってる人ならそんなん無理でしょってことくらい分かるはず。

汎用品もカスタム品も、今や日本国内じゃ作れないけど中国の工場なら作れる、なんてモノは山ほどある。

そりゃそうだ。国内でモノづくりするなんてアホのすることだとばかりに、ガンガン中国に工場を移転させてきたんだから当然そうなる。製造技術なんて現場で向上するもの。現場無しに技術力なんてつくはずがない。国内の製造を空洞化させてきたツケである。

これ、別に日本の製造業に限った話ではない。アメリカやドイツの企業だって一緒。もはや多くの世界中の企業が中国無しに成り立たなくなっている。

ほんとの手遅れになる前に潰しとかないとダメってことで、今そういう動きになっているんだろうけども、少なくともサプライチェーンがズタズタになるだろう。

ということで日本の製造業がやらなきゃいけないことは、まず全ての調達先のサプライチェーンを徹底的に調べることである。ウイグルで作ってまーす、なんてものがあったらアウトである。その上で、中国で製造しているものや中国から調達しているものがあれば、他に製造できるところを探してセカンドソースを確保する、といったことを地道にやるしかない。

あとはビンビンにアンテナをたてて情報収集すること。対応がちょっとでも遅れるとまずいことになる。

そしてぼーっとして何もしない会社は、たぶん終わる。

危ないところには投資しないなんて当たり前の話だと思うけど。。

しかしまあ支那に政治的なリスクがあることなんて分かり切っていたはずなのに、どこもかしこもよくもまあこんだけ投資したもんだ。

共産党よ?極左よ?Radical Leftよ?アホじゃねぇかって話である。

欲望丸出しでがっついたアメリカやドイツなんて自業自得だし、勝手に死ねって感じだけども、流されまくってついて行ってた日本企業もクソである。まあ自分達でコントロールできるだけの力が日本には無いって話なんだけど、まじ勘弁して欲しい。

これを乗り切ったら、政治的なリスクに前もって対応できるだけの力をつけたいものである。。

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