Maison Margiela(メゾンマルジェラ)の超有名アイテムの一つであるタビブーツ。今回はそのタビブーツをご紹介します。
履き始めて4か月ほど経っての、実際の着用感についても解説しています。
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メゾンマルジェラの足袋ブーツとは
ブランドの最初期のコレクションから展開されているマルジェラを代表する超有名アイテム。
ハイヒールのバージョンは長らくレディースだけの展開だったようです。
筆者も店頭で見かけて「あれ?メンズで足袋ブーツのハイヒールってあったっけ?」と思ったので店員さんに聞いたら、メンズでのハイヒールのショートブーツの展開は曰く18AWからだそうです。

不朽の名作です。

太いので比較的安定感があります。
レザーソールなので、買ったら修理屋さんで
ラバーソールを張ってもらいましょう。
一説によると、Martin Margielaが最初のコレクションの発表にあたって裸足にヒールが付いているような靴を欲している中で、日本の職人が履く伝統的な地下足袋に出会って魅了され、地下足袋をデザインソースにして足袋ブーツを作ったそうです。
一見して日本人なら「なにこれ足袋?」と言いたくなる、特徴ありまくりのキワモノっぽいデザインなのですが、履いてみると全然おかしくない。
それどころか大抵のアイテムに馴染んで、なんてことないコーディネートを一気にモードに引き上げる、そんなブーツです。
完成度が非常に高い逸品ですが、かなり特徴的なファッションアイテムなので、見た人によって賛否が分かれるのも特徴。素晴らしい!美しい!と感じる人もいれば、何これ変なの!気持ち悪い!と感じる人もいて、あらゆる意味で見た人が “無視できない” “無関心ではいられない” 人々の注目を集めるアイテムとされています。
メゾンマルジェラ メンズ 足袋ブーツのコーディネート
メンズのブーツなのですがヒールの高さが6cmあるという、珍しいデザイン。自然に身長が盛れるという意味でも、すぐれたアイテムです。
以下、筆者のコーディネート例です。



御徒町の中田商店で購入。
一つ目は白シャツ、軍パンにタビブーツ。なんてことないカジュアルな格好なんですが、モードにまとまります。


2つ目はNEATのベルトレスと合わせてます。太目のパンツなんですが、凄くスタイリッシュにまとまります。


3つ目は、普段は裾を折ってはくような長めのワイドパンツに合わせて、つま先だけ出したコーディネート。
つま先だけしか見えてないのに、しっかり存在感があって、モードにまとめてくれます。

4つ目は、3つ目のワイドパンツをロールアップして合わせてます。裾が太くてもカッコよく合います。

パンツはNEATのテーパード

5つ目はロングコートとのコーディネート。6cmもヒールがあれば身長もかなり盛れて、足も長く見えますからね。ロングコートも着こなし易くなります。
以上、色々試していますが、まあ大抵何にでも合いますね。ただ個人的にはどちらかというと古着感があるというか、土臭さを感じるパンツに合わせると本領が発揮される気がします。
フレイドヘムのデニムに合わせてもめっちゃカッコ良くなるでしょう。
着画を見ていただくと分かるかと思いますが、シリンダー状の太いヒールがついている珍しい形のブーツなのですが、正面から見た時のシルエットはオーソドックスで美しく、細身のブーツに見えるように作られています。
ブーツ単品だと奇抜なデザインに見えるにも関わらず、意外にもコーディネートに溶け込みやすいのは、そのあたりに理由があります。
マルジェラ 足袋ブーツ:サイズ感とサイズ選びのポイント
サイズ感について。筆者の普段の革靴のサイズは26.5cmなんですが、この足袋ブーツは41(26.0cm相当)にしました。
筆者が購入したのは革がカーフのモデルなのですが、かなり革が柔らかくできているので窮屈さがありません。かつ履いていると伸びてきます。
また重要なのが踵部分。
踵がしっかりホールドされずに浮いてしまうと歩きづらくなります。
また踵が浮いた状態だと、つま先方向に足が滑り落ちて、靴の先端につま先が当たり、痛くなります。
なのでできるだけ小さいサイズで履くのが良いです。
普段の革靴だと窮屈に感じるくらいの、ハーフサイズ落とすくらいがちょうど良いと思います。

そして履き心地ですが、革が柔らかいので動きやすく、ちゃんと踵があっていれば足先や指の股の部分もソフトなフィット感で大変良好です。
しかしこれはヒールブーツですからもうどうしようもないんですが、めっちゃ歩きづらい。今までの人生で経験したことのない歩きづらさ。
ってかどうやって歩くのが正解なのか分からない。
もうね、ヒールを履く女性の辛さがよーく分かりますよ、ほんとに。普通の男性で6cmのヒールの靴なんで履いたことあります?無いでしょう普通は。
普通の人は履かないものなので、そのぶん際立ってオシャレなのが良いところなんですけどね。
マルジェラ 足袋ブーツ:疲れて痛いのはどうしようもない
歩きづらさに慣れてきても、ヒールに慣れていない男性が一日履いていると足の疲れ方が半端じゃない。足の裏からふくらはぎまでぐったりです。
この足袋ブーツのヒールは見ての通りシリンダー状の太いヒールですから比較的安定していて、立っている分には辛くないんですが、ピンヒールとかもう想像を絶する世界ですね。
しっかり甲まで包まれているブーツでこれですから、甲の開いたパンプスなんてどうやって歩いてるのか、謎ですね。あんなの履いて歩けるとか、一種の訓練を要する特殊能力ですよ。
かっこよさは保証しますので、ファッションのためと割り切って履きましょう。
マルジェラ 足袋ブーツ:合わせる靴下はどんなのがいい?
ちなみに合わせる靴下は、筆者は5本指の靴下にしています。
(参考リンク Tabio 5本指ソックス)
店員さん曰く「普通の靴下でも履けますよ」とのことですが、当然指の股の部分が無理に伸びますからね。履き心地も悪くなりますし、ちゃんと指が分かれているソックスが無難です。
マルジェラ 足袋ブーツの買い方
ということで解説してきましたが、実際買おうとすると日本の定価だと約160,000円。。ジョンロブ買えるやん、、という値段。普通に考えて怯みます。正気じゃ買えない。
なのでBUYMAで検索。すると結構出品している人が多く、上手くすれば諸々混みで115,000円~120,000円程度で買えそう。ということで店頭で試着 → 型番控える → BUYMAで購入 のパターンでゲットしました。結果、約4万円ほどお得に買えました。
更に人気の品なので、中古であってもメルカリ等でそこそこの値段で売れます。状態によりますが、今だと7~9万円くらいで売れます。
そこまで考えに入れると、そんなに高い買い物でもないような気がしてくる、と自分をだまして買いましょう。
シーズンによって革の素材違いや加工の違ったものがリリースされていたりするので、型番はちゃんと控えておかないと間違える可能性があります。気を付けましょう。
そして購入しようか迷っている方も早めに試着して型番だけは控えておくと良いです。
私が試着したときに店員さんと話していて言われたのですが、だいたいAWシーズンのものだと暑くなる前にサイズ欠けしてくるそうです。
意味分からないと思うので解説すると、秋冬シーズン向けのアイテムがだいたい6月頃から店頭に並び始めるんですが、7~8月頃になると売れていってサイズ欠けするよ、ということです。
海外ハイブランドの顧客さん達は気が早いのか、夏前に秋冬アイテムを買っていくってどんだけやねん。
店員さんが購入を煽ってるようにも聞こえますが、人気アイテムなので直営店の店頭でのサイズ欠けくらいは十分あり得ます。
一方でBUYMAやSSense等の通販サイトだと割と長く全サイズ用意があったりするので、店頭でしかできない試着は早めに済ませてしまって、買うのはゆっくり考えてから通販で、というのが良いと思います。
※↓“SSENSE”というカナダの通販サイトでも、公式より安く買えます。こちらの方が良いかもしれません。
【SSENSE】Maison Margiela メンズシューズ(商品リンク)
ちなみに筆者は恵比寿の路面店で試着したんですが、このお店は一回行く価値ありです。
世界で初めてできたマルジェラの路面店だそうなんですが、元々工場だった建物を改装したお店です。元の内装を一部残して作られており、独特の世界観が表現されていてかなりおしゃれ。
デコントラクションと言うんでしょうか、マルジェラっぽい世界が展開されています。
商業施設に入ったお店だと普通はそこまで作り込めないので、徹底して作り込まれた店内を見られるのは恵比寿店ならでは。冷やかしだけでも、わざわざ足を運ぶ価値があるお店です。
マルジェラのメンズ タビブーツ:履き始めて4か月経った履き心地と感想
次は実際に筆者が4か月使ってみての感想です。
ファッション性が非常に高くて人気の品ではありますが、なにせ10数万円する高価なアイテムなので欲しい人は絶対失敗したくないはず。
なのでそういう方の参考になればと思います。
サイズ感、サイズ選びはハーフサイズダウンで良さそう
上述の通り柔らかい革なので、思った通り履いているうちに速攻で馴染みまして、筆者の幅広の足でも全く痛くない。
こんだけバチッとコンパクトにフィットしてても全く問題無し。
履いていても窮屈さは全くないので、ハーフサイズダウンで正解でしたね。
モデルによってはアッパーにデニム生地とか合皮とか、絶対伸びなくね?みたいなものもあるので一概には言えないんですが、筆者が所有しているような革が使われているスタンダードな革のモデルに関しては、ハーフサイズダウンでOKでしょう。
履きやすさ、履き方は?変化はあった?
当初は履き口が窮屈で、足を突っ込むのが難しくて履きづらかったんですが、だんだん革が馴染んでスルッと入るようになりました。
で、革が柔らかく馴染むとともに踵部分が少し緩くなってきます。
そもそもこの足袋ブーツ、踵部分の芯が入ってない(もしくは薄い?)みたいなんですね。普通の革靴って踵部分に硬い芯が入ってるじゃないですか。あれが無いので踵がフニャフニャしてて、足を入れやすい構造になってます。そういう構造も地下足袋が元ネタだからなのかな?
そしてその踵部分が緩くなってくるので更に履きやすくなるんですが、そうすると今度は足のホールド感が無くなってくるんですね。
ホールドが緩くなると足が前に出て、指の股の部分が痛くなりますし、あんまり緩くなりすぎてガバガバになると後ろからの見た目もかっこ悪くなるので、適度に緩いくらいが良い。
ということでしばらく履いてみた感想としても、やっぱりハーフサイズ落として、最初はきついくらいのサイズ感にして、履きならしていくのが間違いないと思います。
それが可能な良い革が使われているので、作っている側もそういう履き方を想定しているんじゃないかと思います。

ちょいキツめのフィッティングを推奨
またタビブーツのレビューで度々見かける話ですが、革が伸びることでこはぜ(足袋の履き口についている薄い金具のこと。着物では足にぴったりと合ったシワのない足袋を履くことでコーディネート全体が美しく見えるようにできています。こはぜは足袋を足首で固定して足袋の生地を張った状態に保つ役割を持っています。)の部分が緩くなって外れやすくなります。
履いていると意図せず外れてしまうのでなんとなく気になるのですが、革自体に張りがあって自立するので見た目にはあまり影響はありません。ショップスタッフさんとかはわざと外して履いている人もいます。

革が伸びてだんだん緩くなって外れやすくなるけど
写真の通り外れてても自立しているので
あまり気にしなくてOK
メンズで6cmのヒールブーツはやっぱり足が痛くなる
足袋ブーツに関して良く言われることですが、ヒールのある靴の割には履き心地は良いです。革の馴染みも良いので。
しかしこれはもうどうしようも無い話なんですが、長時間履いているとふくらはぎ部分が痛くなってきます。
足袋ブーツだからというより、ヒールのある靴に慣れてないからでしょう。履き始めて4か月経ち、少しは慣れたつもりですがやっぱり痛い。
痛いって言っても、常にぎりぎり痛いとか、締め付けられるように痛いとかではなく、疲れが蓄積してふくらはぎが張ってきて痛くなる感じです。
ヒールが6cmある靴とか、普通の男性は一生縁の無い靴ですよ。慣れてる人か居ないんじゃない?
むしろ女性が履く足の甲がむき出しのヒールよりは、ブーツなので足にしっかりホールドされてますし、革も柔らかい分、格段に履きやすいはずです。
あの足の甲が出ているヒールは慣れてる女性ですら相当きついらしいですから。。
こればっかりはどうしようもない。女性をリスペクトしつつ、慣れるまでは諦めましょう。
マルジェラ 足袋ブーツ:磨きは必要?シューキーパーは?メンテナンスフリーな革質とお手入れの方法
ちなみに、↓が4か月履いた筆者の足袋ブーツですが、4か月間クリームを塗ったりといった手入れは一切してません。
筆者は履くたびにブラッシングしてるだけですけど、全く劣化なんかしてないです。むしろいい感じで味が出てきたくらい。
靴磨きに凝っている人には申し訳ないのですが、やっぱり良い革は特別な手入れなんか必要ないってのは当たってるんじゃないかと思います。
シューキーパーも入れていません。というか普通の市販のシューキーパーが合う形ではないので、入れるとおかしなことになりそうですし、足にフィットさせて履くものなので特に必要も無いと思います。
消臭用のシダーチップを入れるくらいで十分ですし、筆者もそうしています。

新品の時よりもツヤが増してます
履いたらブラッシングだけはしましょう

タビブーツと軍モノとの相性は抜群
ぴったりと足にフィットして
足元をエレガントにしてくれます

パンツはNEATのテントクロス ベルトレス
タビブーツが古着っぽい生地感と抜群に合います


靴に使われる”良い革”の定義とは?
革靴のサイズ選びでポイントになるのが革の良し悪しですが、良い革って具体的に何なのか、分かるようでわからないことが多いと思います。
売り文句に”良い革を使ってます”と謳っている靴ってたくさんありますけど、「良い」の定義がよく分からないですよね。
ちょっと話が逸れるんですが、筆者なりの解釈で良い革って何なのかを語ってみます。
色々な革靴を履いたとはいえ専門家でもないので、消費者としての筆者の経験独断と偏見ではあるんですが、良い革って柔らかくて馴染みが良い。
柔らかいってのは表面の硬度ではなく柔軟性のこと。柔軟に曲がって伸びて足にフィットしてくれて、靴擦れなんかにも全然ならない。
そういうストレスが無いことが良い革(というか良い靴?)の条件であるってある意味当たり前の話な気がしますが、まあそうなんじゃないかと思います。
逆にあんまりいけてない革の場合は硬くて柔軟性がないから靴擦れもするし、なかなか伸びないからフィットしないし、サイズを落として履こうもんならずっと足が窮屈で痛いままなんですよね。
この良し悪しの見極めって、一般論として売ってる側が「あんまり良い革ではないのでずっと馴染みません」とか言ってくれるはずもないので、消費者側がリテラシーをつけて見極めるしかないんですよね。
見慣れてくると見た目で判断できるレベルではあるんですが、そのためには筆者みたいにある程度は失敗を繰り返すしかないんですよね。もしくは信用できる口コミを参考にするか。
しかし幸いにも革靴って値段と品質が比例してることがほとんどで、2~3万円クラスの大衆靴(リー〇ルとか)だと革の質がいまいちでなかなか馴染まないのですが、国産品で5~6万円を超えてくると明らかにレベルが上がります。
良い意味で値段不相応な品質の靴も、価格帯としてはこの辺りからのものが多いですし(筆者の手持ちの靴だと”forme(フォルメ)“なんかは明らかに値段不相応。インポートだと確実に10万円以上はします。)、価格帯とブランドが指標として機能します。
※リーズナブルな革靴でも、有楽町の靴磨きの名店 “千葉スペシャル” で手入れをすると柔らかい革質に変わります。馴染みがよくなる可能性があるのでチャレンジしてみると良いかもです。下の記事で紹介しています。
そもそもファッションコーディネートにおいては、足って小さくコンパクトにまとまっている方がドレッシーに見えます。
だから昨今トレンドのダッドスニーカーとかボリュームのあるスニーカーが外しとして機能するわけです。
エドワードグリーンとかを見れば一目瞭然ですが、ぎゅっとコンパクトにまとまってる革靴って凄くエレガントです。
で、コンパクトにまとめようと思ったら革自体が足に馴染んでフィットする必要がありますよね。
当たり前ですが馴染むほど履き心地も良くなりますし、なので柔らかくて足に馴染む革ってのは良い革、良い靴の条件なんじゃないかと思うのです。
マルジェラ 足袋ブーツ:4か月履いての使用感のまとめ
以上、Maizon Margielaの足袋ブーツを4か月履いての使用感。
まとめると
- 柔らかくて馴染みやすい、かなり良い革が使われている。
- なのでサイズ選びはハーフサイズダウンを推奨。
- 良質な革なのでメンテナンスフリー。お手入れ要らず。
- やっぱり慣れないヒールブーツはふくらはぎが痛くなる( ;∀;)
特にサイズ選びは慎重に!小さ目を選ぶことをおすすめします!
以上、タビブーツの紹介でした。
【SSENSE】Maison Margiela メンズシューズ(商品リンク)
ではでは。
今日はここまで。
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