SpotifyとNETFLIXをご存じでしょうか。
両方とも今後、音楽と映像視聴の主要サービスになるであろう定額ストリーミングサービスの世界最大手で、Spotifyは音楽配信、NETFLIXは映像配信のサービスです。


色々なサービスを使ってみたのですが、やっぱりこの2つがベストだと思った次第。ストリーミングサービスって近年ではお金かからない遊びの代表格みたいな存在だし、パパ的に家族みんなで楽しもうと思ったら、この2つがベストなんじゃないかと思います。
今日はその理由をざくっと解説します。
あと念のため断っておきますが、筆者は別にSpotifyとNETFLIXの回し者でも何でもない、ただの消費者です(^^;)。
ストリーミングサービスって何?
って方も多いはず。音楽、映像ともに有料配信サービスの国内利用者は2,000万人程度らしいので、日本国内で使っているのは6人に1人くらい?でも体感ではもっと少ないように思えます。そんなにみんなまだ使ってなくない?
通信キャリアと携帯の契約をしたときにオプションで入らされるようなものが混じっていたり、映像配信だとAmazon Prime Videoがシェア1位らしいので、Amazon Primeに入ってるけどVideoは使ってないみたいな人もいそうな気がします。要はアクティブユーザーはそんなにいない気がするんですけど、どうでしょう?
ストリーミングサービスってそもそもなんぞや?って話ですが、要はですね、定額の聴き放題、見放題サービスのこと。近年は曲数や作品数が充実してきて、またリコメンド(おすすめ)機能がかなり優秀になってきて、凄く便利になっています。
作品を選んで視聴することも当然できるんですが、これらのサービスの真価はAIを使ったリコメンド機能にあると筆者は思っています。自分の好みのジャンルのものを勧めてくれるのはもちろんなんですが、その精度が高く、また今まで触れたことのない作品も積極的に紹介してくれて、それらが非常に良いしインターフェースも使い易い。で、使い込んでいくと好みを覚えてくれて精度がどんどん上がってくるので一回使いだすと手放せなくなってきます。
ライブラリの数もめちゃくちゃ多いので、遊びだすともういくら時間があっても足りないくらい遊べます。これ一生遊べんじゃね?ってくらい。レンタルなんかより圧倒的にコスパも良いし、選んで視聴するまでに時間もかからないし、半端じゃなく安く遊べるサービスです。
お金を節約したい人にこそ超絶おすすめします。
音楽市場を取り巻く背景
ここでちょっと小話。音楽のストリーミングサービスを取り巻くビジネス的な話。
ざっくり言うと音楽業界は2000年まではCDの普及によって成長していて、2000年代前半からMP3ファイル共有サービス(ほぼ違法のやつね)が普及したことで大きく縮小していきました。それから2010年頃までにiTunesやPANDORAなどの音楽ダウンロードサービスが普及し始めましたが、CD販売の減少がデジタルダウンロードの成長を上回る速度で進み、市場全体を成長する流れにはならず、引き続き市場が縮小していきました。で、この流れを変えるきっかけを作ったのがストリーミングサービスです。つーかSpotifyですね。これの登場によってグローバルな音楽市場全体が十数年ぶりに成長し始めました。
そんな中でちょっと面白いのが日本の状況。世界の中で日本だけはCDの販売があんまり落ちておらず、ストリーミングサービスの普及が進んでいないんですよね。要はあれです、AKBとかの握手券商法でCDが売れているって話です。日本の音楽シーンをビジネス的に引っ張っていってるって話ですからね。アイドルグループ恐るべし。しかしそれってここで言う音楽市場の定義に入るんですかね。なんかちょっと別のサービスな気もします。
話をストリーミングサービスに戻すと、市場を縮小から反転させるきっかけになったというのも、実際に使ってみるとめちゃめちゃ納得できます。消費者目線で言うとですね、もう圧倒的に利便性が高いんですよ。CDをいちいち借りる必要もないし、当たり前ですが後ろめたい違法ダウンロードなんかする必要性は皆無ですからね。
そして一度Spotifyを使うと、一曲ずつ選んで確認してダウンロードするのが非常に面倒であることに気づきます。Spotifyなら気になったものを片っ端から聞いて、何も考えずにダウンロードしても料金変わらないので、選んで決めるってことから解放されるんですよ。勧められたものも何にも考えずに流しっぱなしにして聞いててもいいし、そうすると今まで出会えなかった曲ともいっぱい出会えます。ラジオに近い感覚かも。
つーことでストリーミングサービスを一回使うと違法合法関わらず、ダウンロードなんかバカらしくてやってられません。CDを買ったり借りたりなんてのももうあり得ないですね。
音楽コンテンツと映像コンテンツの持つ特性の違い
まだややこしい話が続くんですが、音楽コンテンツと映像コンテンツって、それぞれ視聴する上での特性が大きく違います。それは
・音楽コンテンツは繰り返し聴くもの
・映像コンテンツは基本的に一度だけ観るもの
ということです。一度だけしか聞かない音楽も、繰り返し観る映画もありますが、ほとんどの場合においてこうだということです。なので、それぞれの配信サービスに求められる質ってのはこうなります。
・音楽は繰り返し聴くことが前提なので、古いものでも良いものをどれだけ網羅しているかという「カタログ」が重要。良いものを多く保有しているサービスが良いサービスである。
・映像は一度しか観ないことが前提なので、「新しいものを創り出す力」が重要。どんどん新しいものを出し続けることが最優先で、新作をリリース頻度が高いサービスが良いサービスである。
音楽って古い曲とかでも何度も繰り返し聴きますよね。なんだったら何百回、何千回と聴く曲だってあるはず。映像は違いますよね、流石に何百回も観るとかありえない。繰り返し観たとしても数回程度でしょう。なので大勢が一度観たものって極端に言うと役目を終えていて、ライブラリからは捨ててしまってよいくらい。どんどん新しいものを出していかないとサービスを使ってもらえないわけです。
NETFLIXの利点
そして映像配信サービスで、上記で挙げた利点を良く理解してサービスを展開しているのがNETFLIX。どういうことかというと他のサービスと比べてオリジナルコンテンツの量が圧倒的に多い。そしてその質が非常に高い。観てみればもう一目瞭然なんですが、良くできてるんですよ。お金かけて作ってる感が伝わってくるというか。実際、市場で物凄い額の資金を市場で調達して(年間で1兆円とか冗談みたいな金額を)、それを惜しげもなくコンテンツ制作に投資して年間700本とかの新作を作っているという、力のかけ方が圧倒的に違うんですよね。観きれないくらいの新作が出てくる。
大量の新作も駄作ばっかりだったら意味ないんですが、質もどんどん上がってきていて大作映画並みのものばかり。(観てよかった作品を今度紹介しますね。)
投資家目線だと、そんなにお金使って回収できてんの?的な心配はあるんでしょうけど、一般ユーザー的にはもうNETFLIXの新作見てるだけで時間足りないよってくらい。それに加えて過去の作品も圧倒的な品揃えですから、全世界で1億5000万人突破っていう圧倒的なユーザーを獲得してるのも納得。まじで桁が違う規模感。
システム面でもお金をかけていて、画質面でも他を圧倒しています。
他にHuluとU-NEXTを使いましたが、全然NETFLIXに敵うレベルではないですね。
U-NEXTは元々USENが母体の会社が運営しているサービスで、日本の新作映画やアニメ作品なんかは結構充実しているんですが、月額料金がNETFLIXより高い上に個別に料金のかかる作品もあって(この辺はdTVなんかも同様)コスパが悪い。そして画質が悪い。NETFLIXとは比べ物にならない画質の悪さ。やっぱり技術的に圧倒的に劣ってますね。
Huluは比較的頑張ってる感じですが、これもやっぱり画質面で全然追いつけていない。作品数はそこそこあって過去作品のライブラリはNETFLIXにも見劣りしないかな?ってレベル。しかし日本では日テレの子会社がやっている事業なので、日テレで作った作品を配信するためのサービスという感じがします。「続きはHuluで」とかたまに見ません?そういう囲い込みに使ってるあたりに時代遅れ感というか、日本の大企業っぽい消費者目線の無さを感じて萎えますね。オリジナルコンテンツへの投資って意味では、テレビレベルのドラマとかがありますが、NETFLIXとは量も質も比べるべくもないです。NETFLIXより優れているところというと「アンパンマン」が見られるところでしょうか。日テレなので。それ以外は利点を見出せません。
あ、このあたりのサービスの比較はあくまで筆者の主観で、独断と偏見が入ってますので、悪しからず。日本のドラマのファンだったり、過去作が見たいって人にはむしろU-NEXTやHuluの方が良いと思います。そういう拘りが無い状態でどれか選ぶなら、って目線で書いてます。
ということで、戦略が明確で強烈な資金力を背景にしたアメリカのグローバルな専業サービスに日本のローカル企業が勝つのは難しかろうと思います。対抗できるとしたらAmazon Prime Videoくらいしかないんじゃなかろうか。つーかこれもアメリカのサービスですしね。別に投資しようって話じゃなく、あくまでサービスとして利用するならどれがいいかという話なので、ビジネス的な成功失敗は直接的には関係ないんですが、中長期的に(もしかしたら短期的にも)サービスの質は儲かっているところの方が当然充実するはずなんで、NETFLIXにしとく方が総合的な満足度は高くなるんじゃないかと思います。乗り換えるのも面倒ですし。
Spotifyの利点
Spotifyは、2008年にスウェーデンで創業した世界最大の音楽配信サービスで、ユーザー数は2億3000万人。うち有料会員数が1億人。楽曲数は5000万曲と最大規模。
こちらは他サービスとの比較という意味で映像配信のNETFLIXほど分かりやすい差はないんですが、一番の特徴は無料会員での利用ができるところ。無料サービスだと利用方法に制限があったり、広告と組み合わせたビジネスモデルなので途中で強制的に広告が入ったりするのですが、お金がかからないというのは大きな利点です。
日々コンテンツは増えているとはいえ、やっぱり欧州のサービスなので日本国内の楽曲は少ない印象。洋楽だと聞きたい曲が無い、ってことはほぼ無いんですが、日本の曲だとたまに無いことがあります。そこが欠点かもしれません。逆に筆者的には洋楽が充実していて、しかもリコメンド機能が優秀なので、暇さえあればずーっと流しっぱにして海外の色んな知らない曲を聴いて楽しんでいます。ラジオ的な使い方ですね。そういう使い方をするならこれがベストなんじゃないかと思います。公式でも「音楽発見サービス」と言ってますし。新しい音楽との出会いって楽しいですよ。しかし今までってそういうことをしようとすると、結構な時間とお金を投資する必要があったと思うんですよ。レンタル屋に行って吟味して借りたり、店頭で視聴してCDを買わなきゃいけなかったり。そのリソースを節約できるってのはほんとに革命的だと実感しています。
他の利点はテレビなどの他のデバイスとの連携機能が充実しているところ。機種にもよりますが、Wifi経由で使える機器が多く、操作も簡単なんですよね。難しいことをしなくても直感的に使えるようになっていて、重宝しています。
まとめ
SpotifyもNETFLIXも、プランによって料金は変わりますがだいたい1000円~1300円/月くらい。両方合わせても一月2000円程度です。この金額で使い放題で、なんだったらずっと引き込もっていられるくらい使っても使っても使いきれない量のコンテンツが楽しめます。
良く言われることですが、今って凄く少ないお金で優良なコンテンツを楽しめて、時間を潰せてしまう時代です。テクノロジーの力は偉大ですね。凄い時代になったものです。
ミニマムな生活って話にも通じるところがあるんじゃないかと思います。
以上、あくまで筆者が使っての感想ではありますが、節約して遊びたいというのは子育て世代に共通したニーズだと思いますので、まだ使われていない方は是非検討されてみてはいかがでしょうか。
ではでは。