1/8 ゴーン被告の会見@レバノンを見ながら
逃亡してから初の記者会見ということで、中継を見ながらこちらを書いてます。日本のTVメディアで会見場に入れたのはテレ東だけという、自分に好意的(だと思われる?)海外のメディアで固めて追及を避けた感じの記者会見のようです。
主な主張は、身柄拘束と自白を交換条件にする、いわゆる日本の人質司法についての批判。検察が全てを決めるとされ、推定有罪で裁かれる日本独特の前近代的な司法制度に問題があるって話は、まあ理解できる話です。
そして開始から1時間くらいずーっとそればっかり繰り返し喋ってて飽きました。。
それにしてもこの人、何か国語喋れんだ?5か国語くらい平然と使い分けてる気がする。やっぱすげーな。
ゴーン被告の主張を以下箇条書き
・日本の司法制度は人権を侵害している。
・ひどい目にあった。ようやく自由に話せる。
・日本での拘置所生活はめっちゃつらかった。
・嫁さんに会えなくてつらかった。
・自分の潔白を確信している。事件の真実は全く違う。自分や家族に対する批判は全くの見当違い。
(以上を1時間くらい繰り返し喋ってた感じ。前置きかと思ってたら、ほぼこれが話のメインだったという。。騙されたみたいで悔しいです(><))
・日本からの脱出方法については話さない。迷惑がかかる人がいるからね。
・自分の逮捕は業績が悪化した日産がルノー、三菱との3社連合を組もうとした中で、ルノーの影響力を排除するために自分を排除しようとして起こした陰謀である。
・仕組んだのは日産の西川氏、ハリ・ナダ氏、豊田氏、川口氏、大沼氏と日本政府関係者。
・日本政府の関係者も挙げられるが、自分を受け入れてくれたレバノン政府に迷惑がかかるかもしれないので、その点に配慮して沈黙したい。
・9か月前に妻が偽証したという理由で逮捕状が出された。9か月経って偽証に気づいたってこと?ありえなくね?これが日本の司法のやり口だ。
・裁判が始まって判決が出るまで5年かかるかもと言われた。迅速に行われるべき裁判を遅らせようとしているのが日本の検察。99.4%の有罪率ってあり得ねえだろ。
・だから日本で死ぬか脱出するかしかなかった。正義の問題ではない。自分は人質に取られていたということだ。
・17年間日産に尽くしてきて、誰もできなかった日産の再生をやってのけ、経営者のお手本のように言われてきて20冊の本も出ている。しかし数人の日産幹部と数人の検察官によって突然犯罪者にされた。
・自動車業界全体の株価は12%も上がっているにも関わらず、自分の逮捕以来、ルノー、日産、三菱の株価は下がっている。
・ベルサイユ宮殿でのパーティーは公的な意図があってやったものであって私的なものではない。演説もした。ベルサイユ宮殿は世界中の人が訪れる観光スポットだから、PRの場として適切だった。
以下雑感でござる
全部ではないんですが、リアルタイムで聴けた範囲ではこんな感じ。しかしゴーン氏、2時間以上しゃべりっぱ。なげーよ。でもいっぱい汗かいて気持ち良さそう。
だだ、う~~ん、目新しい具体的な話はほぼ無くて残念。ほぼ中身の無い話だったかと。
日本の前近代的な司法制度に対する批判は、まあその通りなのでどんどんやってもらって、少しでも改善される方向に行けば良いんですけどね。検察に犯罪者扱いされたら有無を言わさず99%の確立で有罪にされるとか、そんな怖い国に有能な外国人経営者とか来なくなりますよ。これからは魅力的な環境にして優秀な外国人を惹きつけなくちゃいけない、とか言ってるくせにこれですからね。外国からのイメージが悪くなれば少しは改善するんでしょうか。
日本で死ぬか逃げるしかなかったというのは、その通りでしょうね。堂々と裁判を受けても絶対に無罪にならない=日本で死ぬしかないと本人が確信しているんだから、全力で逃走を図るのも当然でしょう。
それにしても実際にやってのけたところは素直に凄いと感心します。
ただゴーン被告が無罪だったいう明確な反証はありませんでした。やってないと主張はしてますけど、大きな声で叫んでるだけという。自分は頑張って貢献したのに悪意で返され!非人道的な扱いを受けたんだ!だからバックレたのも仕方なかったんだ!と繰り返し熱を込めて語ってた感じ。悲劇のヒーローだから悪くないもんという印象で世論を味方につけようとしてるんでしょうね。広報戦略ですね。
周囲に悪い奴らがいてゴーン氏がはめられたことと、ゴーン氏の罪の有無は全く別の話ですよ。ハリ・ナダ氏が司法取引に応じて自分を裏切ったとか言ってますけど、みんなで悪いことしてて俺だけが悪いんじゃないってんなら、他の悪いやつらと一緒に罪に問われればいいわけで、罪が無いって話は無理筋でしょう。
論点をずらして人権の話にもっていく胡散臭さ
なんとしてでも日本で裁かせろ!と怒りに打ち震える日本人は多いんじゃないでしょうか。
しかしこう、自分のことは棚に上げて人権の話をして印象操作にもっていくあたりが、非常に胡散臭い。論点をわざとずらした話であっても人権重視的な話なら聞いてくれる人が多くいるからってことなんでしょうけど、こういう人って結構いる気がするのは筆者だけ?だからなのか、人権の話を前面に出して話す人って胡散臭く感じてしまうんですよね。なんかやましいことがあるの?感情論に訴えて無理やり押し通そうとしてない?みたいな。
本当に正しいことをやっている人にも迷惑でしょうね。
以上、今日はここまで。
ではでは~。