電機業界と会社の話

アメリカと中国の開発競争って何?何で競争してるの?分かりやすく解説

テレビだと相変わらずコロナの話題ばっかりであんまり話題になってないみたいだけど、アメリカと中国はかなり激しく対立してまして、特にテクノロジーの分野では一歩も譲れない戦いの真っ最中。

この戦いの結果で、これからの世界の行く末が決まるって言っても良いくらいの重要な戦い。その内容を分かりやすく解説します。

今までのコンピューターとこれからのコンピューターで何が違うのか?

今までのコンピューターは手元のパソコンやスマホで作業したり、色んなデータを保存したり再生したり、ネットにつなげてサーバーとデータのやり取りをするものでした。全て手動で。手動でってところがミソ。

Googleで検索するために検索ワードを打ち込むのも、サーバーにデータを保管するのも、基本的には手動でしょ?人間が何か操作してあげないと動いてくれないのがこれまでのコンピューター。

これからのコンピューターはそれを自動でやってくれるようになる。今までと一番違うのがここ。これからのコンピューターは頭脳、手足、目、耳、口、皮膚をもったロボットになると思えばOK。

ロボットの頭脳はAI、目はCMOSイメージセンサー、耳はマイク、口はスピーカー、皮膚は圧力センサー(体重計の中身と思えばOK)。手足はロボットアームみたいなものだったり、車だったり、色んな形のものになる。

昨今良く聞くIoTってのはこの目、耳、口、皮膚のことだと思えばOK。世の中の至るところにセンサーが設置されてて常にロボットが五感で何かを感じているようなイメージ。街角の監視カメラが常に街の様子を見てて、AIにその様子を送り続けていたり。無数にあるその監視カメラがロボットの目。

そういうセンサーが世界中の色んな所に配置されてて、神経みたいにつながってるのがIoTの世界観。目には見えない巨大ロボットの感覚器官が世界中を覆ってるような感じをイメージすれば良いかと。

ちなみにGoogleとかAmazonのAIスピーカーってあるでしょう?アレクサとか、スマートスピーカーとか、音声入力できるやつ。あれはGoogleやAmazonが家庭に耳と口を設置してるってこと。耳と口を置いてそこで見聞きしたことをデータセンターに送り続けてんの。

これからのコンピューターは、今までのPCのように独立して動くようなものではなく、社会全体を覆う巨大AIロボットみたいなものになると言われてる。

アメリカと中国の競争は次世代のAIロボットを作る競争

アメリカと中国はそんな超巨大AIロボットの開発競争を必死でやってるのね。なんでそんなことしてんのかというと、このAIとIoTでできた超巨大ロボットを完成させた奴が世の中の支配者になれるから。アメリカと中国を中心に、世界中で今そういうゲームをやってるの。

ちなみにこの超巨大ロボットを作るゲーム、一つの企業が独力でやるのは絶対に無理。いろんな分野の技術や知見が必要だから。なので色んな企業が組んでやり始めていて、これからそういう軸で企業再編とか提携とかが起こるので、世の中の見方の一つとして覚えておくと良い。

そしてこれをリードしてるのはアメリカの企業、ってかGAFA。GAFAが注目されてる理由は、この開発競争のトップにいるから。世界の情報インフラを支配して、世界を動かすロボットを持つってことだから、そりゃあ株価も高くなるわけだ。

センサーを作る分野で日本企業にもチャンスあり

だけど日本の企業にも凄くチャンスがある。何故ならロボットの感覚器官になるセンサーは高性能じゃないとだめだから。ちゃんと見えてない近眼気味のカメラとかダメでしょ?ちゃんと見えてないとAIも判断できないの。人間と一緒。感覚は鋭敏な方が良い。

目も耳も皮膚も、正しく的確な情報を脳(AI)に伝えられないとダメ。見えないとか聞こえないとか困るでしょ?人間と一緒。しかもIoTの場合は何億個っていう目とか耳が全く同じようにデータを伝えられないとダメ。こっちは見えてるけどあっちは見えてないとか、脳が混乱する。

個体ごとにばらつきがあると性能の悪い方に合わせることになる。だから高い性能のものを何億個ってレベルでばらつき無く、全部同じように、均質に製造する必要がある。これって日本が得意なものづくりそのもの。日本人のお家芸。欧米のベンチャー企業じゃ絶対に無理なのがこのモノづくりの世界。

欧米のテクノロジー系ベンチャー企業と話したことがある人なら分かると思うけど、実際彼らもそういうレベルの高い”製造力””モノづくり力”を日本のメーカーに求めてたりする。アイデアは持っててもそれを実現するモノづくりができないのが彼らだから。

その次世代AIロボットって何の役に立つの?

じゃあ仮想空間と現実空間をまたいで存在する、その超巨大ロボットは何をしてくれるのか?要はこれってシステム全体として見たときに「人間」みたいに機能するのね。つまり人間の代わりに働いてくれるようになる。仕事が自働化するってこと。

自働化されるのはデジタルに処理できるようなルールとか答えが一つしかないもの。定型作業とかいわゆるオペレーションの仕事。ロボットだから絶対間違えないし、24時間年中無休で文句も言わずに勝手に働いてくれる。人間よりはるかに優秀な労働力になる。

自動で働いてくれるロボットよ?すごくない?これって人類にとっての革命と言われてる。パソコンができたときに匹敵する革命なの。だから第四次産業革命って言われてる。

このロボットが有るのと無いのとでは社会の在り方が全然違う。ロボットがいなくて人間が単純労働をやらなきゃいけない社会は、ロボットがいる社会より生産性が数段劣ることになる。つまり貧しくなる。凄まじい格差が生まれる。だから世界中がこのロボットを作ろうと必死なの。

話せて、自律的な判断ができて、モノを動かせたり、コン ピューターが人間みたいなことができるようになる。つまりはロボット。今まで人間がやってた単純作業をロボットがやるようになる。「省力化」が桁違いに進む。だから人間の働き方も絶対に変わることになる。

今から重機を使わずに全部人力で超高層ビルを作るとか、あり得ないでしょ?ピラミッドの時代じゃねーんだから。機械ができることを人間がやるってのはそういうこと。1日でできることを1年かけてやるくらいの話。圧倒的な差が生まれる。

最初につくったところが世界の覇権を握る。だからアメリカと中国は必至で争っている。

だからAIロボットが無い世界はあり得なくなる。ロボットが無いってのはスコップとつるはしだけで超高層ビルを作らされるような世界になる。無理(><)。だから持ってない国は持ってる国に大金を払って使わせてもらわなきゃいけなくなる。国同士の力関係がこれで決まってしまう。

だからアメリカも中国も必死。米中戦争の根本にはこの競争がある。先を越されたらアウト。相手の下につかなきゃいけなくなる。お互い一歩も譲れない戦いね。

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