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アニメビジネスの概況の話 後編

先日のアニメビジネスの話の続きです。

海外展開の現状

海外は配信サービスの増加でアニメの視聴地域が拡大しており、更に中国や東南アジアの一部地域での所得増により二次利用も拡大傾向にある。

但し日本のような大人のファンが少なく、主な視聴層が子供なので高額投資者が少ない。ちなみに日本では「ガンダムなら10万でも20万でも払うぜ!」という人(信者?)が20万人くらいいるそう。なるほど筆者もどうしてもほしくなればガンプラに2万円とか惜しくないもんね。大人のファンって子供とは桁が違いますもんね。

これは子供の時に視聴層だった人達が社会人になりファンとして積層されてきたために起こっている話。海外のファンはまだ最近視聴を始めたばかりなので、今後日本と同じようにファン層として積層されていくかどうかは、今のところ未知数。

配信サービスの現状

世界中で展開されている映像配信サービスの中でも日本のアニメは良く見られており、人気コンテンツの一つ。

配信市場での主な事業者は日本だとキャリア系と外資(Amazon PrimeとかNetflixとか)。中国では有象無象の事業者が乱立して伸びてきている。中華系ってパクってばっかりで制作者や原作者にとってはビジネスにならないイメージが強いが、最近はオフィシャルになってきていてお金になるようになってきている。というのも背景にあるのはそれら事業者同士の競争で、要はパクってるだけだと差別化できないという話。パクったものを流すだけなら誰でもできるので他の事業者にも簡単に真似されてしまい、事業として育たない。なのでちゃんとお金を払って人気作品をオフィシャルに自分のサービスだけで配信することを望むようになってきている。当たり前の話だけど、パクってばっかじゃ市場からは評価されず、上手くいかないって話。市場の力って凄い!

そうやって中華系の会社間で人気作品の争奪戦が起きてマージン、ギャランティーは絶賛高騰中。

配信系オリジナル作品の増加

配信サービスの話からの続き。独自性を出して競争するようになると当然既存の作品だけではなくオリジナル作品を作るケースも増える。特に中華系とNetflixが大金を積んで日本での人気作の監督や脚本家を引っこ抜いて作品を作らせている。

特にNetflixはオリジナルに力を入れていることで有名で、中でもアニメは重要視しているコンテンツ。なんでもNetflixの検索ワードの上位3つが、S○X、Naruto、セーラームーン、だそうな。(※2016年時点の話)

しかし検索ワードの分析とか、ビッグデータを用いた分析はアメリカの会社らしく得意なんだけども、本質的な目利きがまだできておらず作品の当たり外れが大きいのが課題。目利きというのは、この監督とこの脚本家とこのアニメーターが組んで作ったものならほぼ間違いなく良作になる、みたいな話で、業界に長くいればそういうことが分かるようになるらしい。Netflixは新参者なのでそこまではまだできておらず、今のところはデータ分析頼りだけども、そういった目利きも、できる人を雇ってしまえばできるようになるわけで早々にキャッチアップしてくるものと思われる。(何度も書きますがこれは2016年当時の話。2019年現在は一人の視聴者としての感想だけども、確かに作品レベルが上がってきているように思える。)

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以下、筆者の感想です。

自分もアニメは好きで、Netflixで見てるのはもっぱらアニメばっかりって感じなんですが(Netflixで見れる筆者おすすめアニメの紹介を今度書きます。)、一人のファンとしてアニメに資金が集まってきて作品の質が上がるのはとっても嬉しいことです。

労働集約的な産業で工数をかけられるかどうかって話はお金をかけられるかどうかとほぼイコールの話。人の手で作られているアニメはお金をかけられるかどうかがクオリティーを大きく左右します。作り込まれたアニメ映像の素晴らしさは誰の目にも明らかでしょう。

外資が大金を積んで日本のクリエイターを囲ってるって、ちょっと嫌な響きを感じるかもしれませんが、筆者は凄くポジティブに捉えています。

旧態依然とした日本のテレビ局と組んで仕事して、現状維持が最優先事項になってしまっている高齢社員に高い給料を払うための養分にされて一緒に衰退していく、なんてことには絶対になってほしくないですよ。

より高く買ってくれる事業者と仕事することはビジネスとして健全でしょう。より強く必要としてくれる相手ってことですからね。日本のテレビ局がそういった新しいビジネス展開を主導できれば良かったんでしょうけども、もう無理っぽいし。

資金の出所が増えるということは、クリエイターが仕事をする環境の選択肢が増えるってことです。選択肢が増えるってことは選べるってことです。往々にして選べるってことは良いことです。

70年間もの長い間、紛争や戦争と無縁でいられた平和の時代の中で培われた日本人の想像力が生んだアニメは、今や世界中で視聴される日本の文化になりました。

今に続く歌舞伎や落語、俳句といった文化も江戸三百年の泰平の中で育まれたものです。平和の有難さよ。

これからも日本のアニメが発展するよう、せっせとNetflixでアニメを見たいと思います。

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