電機業界と日本の会社のよもやま話

もはやパナソニックじゃなくてパニックじゃないのか

特に恨みがあるわけではないのですが、今日は筆者の昔の経験を踏まえつつ、パナソニックさんの今後を分析します。

褒めるような話はほぼ無く、ちょっとやばいんじゃないの的な話がほとんどなので気分が悪くなる方もいらっしゃるかもしれまぜん。

大変申し訳ないのですが、そういう方は読まないことをおすすめます。

最近になってようやく業績の悪化が報じられるようになった気がするパナソニック

筆者は一応電機業界と言われる業界で仕事をしているので業界のニュース的な話はぼちぼち耳にする機会はあるわけですが、最近報道されてるパナソニックの業績悪化とか、正直今更かよって感じですね。

外部リンク<SankeiBiz “9年目のパナソニック・津賀社長、正念場 業績不振の責任問う株主も”>

何年も前から普通にやばかったよね?

そもそもここ、何故か日本を代表するグローバル企業の代表格みたいに言われてますけど、世間的なイメージほどグローバルな企業ではないですからね。

全然グローバルじゃなくない?っていうなんちゃってグローバル企業パナソニック

単純に売上高だけを見ても2019年度でさえ約半分が日本での売上(3.6兆円)ですもん。これ、過去へさかのぼって見てもほとんど変わらないんですよね。

デバイスとか電池は海外売上比率が大きいと思われますけど、最終製品の組み立て工場が中国や東南アジアにあることが多いのだから、部品の売上は当然海外で立つのが普通。海外でビジネスしてる割合は見た目よりも全然低いでしょう。

数字を見ても、グローバル企業?うーん、そうなの?って感じなんですが、中を見てみると更にグローバル?冗談でしょ?と思わされます。

門真(大阪にあるパナソニックの本社)に商談とかで行ったことのある人なら分かると思いますけど、中の人はドメドメの関西人ですからね。

少しでも内情を知っている人からするとたぶん「グローバル企業?パナが?www」って草生える感じなんじゃないですかね。

筆者はベンダーの立場でお付き合いさせていただいた経験がありますが、商談した後の帰り際に調達のおっさんに肩組まれながら「分かってるやろ?」とか言われて小突かれながら値下げの要請を受けたりとか、よくある話でしたし。

いつだったか、パナから重役クラスの偉い人の名前で「業績が悪いのでパートナー企業の皆さんに協力をお願いしたい」みたいなレターをもらったことがありました。

要は「おい、ベンダーよ。空気読んで部品の値下げしろよ。」って言いたかったわけですけど、そんな紙きれ一枚でベンダーからお金を巻き上げようとするあたりが、なんつーかあらゆるやり口がロジカルではなく、日本的と言いますか。国内で殿様商売やってる風情を如実に表してるんですよね。そんなもん海外メーカーには相手にされませんからね、フツーは。

幸いにもうちの会社ではパナソニックさんは小口の取引先だったこともあり、そんな与太話に付き合う義理もないので「バカじゃねーのwwwそんな紙切れ一枚で誰が相手にするかよwww」ってな具合で無視しましたが。

別に特別えぐい会社なわけではないんですよ。むしろ関西圏だと、どっちかというと優しい方。もっとえぐいところはいっぱいあります。

ただ “グローバル企業” と言われると違和感しかねーな、ってのは間違いない。

そんななんちゃってグローバル企業のパナソニックさんが何で日本を代表するグローバル企業っていうイメージで語られることが多いのかというと、単純にメディアにいっぱいお金(広告費)を配って、良いイメージを作ってもらってたからでしょうね。

単独企業としては日本で1位か2位くらいの莫大な広告出稿料を払っていたのは有名な話。メディアからすれば超大事なお客さんですから、忖度した記事を書くのは当たり前でしょう。(しかし今はどうなんでしょう。ちょっと悪いニュースを報じてるところからして、流石に広告料も少し減ってるのかな?)

一時代を築いたパナソニック的なビジネスモデルとは?

大量に広告出稿してイメージを上げるって、別に悪いことではないですけどね。国内売上が大きいってことは、国内でのブランドイメージを上げておいて国内で商売しやすくするのは超重要な戦略です。

というかそれがパナソニックの松下電機時代からのビジネスモデル。日本国内で街の電気屋さんとか量販店とか、モノが多く売れる販路をがっちり抑えて店頭においてもらい、大量の広告出稿で販売を後押ししてそれを売りまくる、というビジネスモデルです。

ハードウエアを大量に生産して、日本全国で大量にモノが売れるプラットフォームにそれを乗せて、大量に広告を打って売るまくるという伝統的なビジネスで大成功したのがパナソニック(というか松下電器)。これってつまりは松下幸之助さんが築いたビジネスモデルなわけですけど、今でも変わらずそれをやってるし、そこから全然抜け出せていないってことなんでしょうね。

逆に言うと、ソニーや他の電機メーカーが死にそうになりながら変革をやって、何とか業績を持ち直してきたにも関わらず、パナソニックが今まで変わらずにやってこれたってことは、松下幸之助さんが築いたビジネスモデルがそれだけ強固だったってことを意味しています。

特に白物家電とか住宅設備とか、日本市場の特異性からくる参入障壁の高さゆえに、海外勢があんまり入って来れてない領域は強かったし、今でも強かったりします。

ただ、日本は長期的には人口が減って市場は縮小していくし、それ以前にモノがあんまり売れなくなる世の中になるのは自明なので、それもいつまでもつか分からない。ジリ貧は目に見えてる。

ということでここ何年かかけてビジネスモデルの転換を図ってきたけれども全然上手くいかない。ついでに儲けなきゃいけない、マーケットシェアが高い国内の既存のビジネスも調子悪くなってきたし、どうしよう(;´Д`) ってのが今のパナソニックなわけです。

テレビで失敗

で、そうやって築いてきた国内の販売プラットフォームを使ってなんとかもう一儲けできないか、と考えていく中で液晶テレビに賭けたわけです。

しかし液晶テレビってコストのほとんどを液晶パネルが占めるため、価格が液晶パネルの市況に大きく依存する商材です。

そんな商材なのに台湾、韓国、中国が液晶パネルの生産能力を上げまくったためにコモディティ化がもの凄い勢いで進み、それに伴って液晶テレビの最終製品価格も凄まじい勢いで落ちたために、あっというまに儲からない商材になっちゃって結局失敗。画質とか、デザインとか、特別な機能とかで差別化する方法もあったんでしょうけど、そんな技術力は持ち合わせてなかったので、できるはずもなし。

電池で失敗

次に社運をかけたのが車載用電池。電気自動車のテスラと組んで成長の柱にするつもりでやってたようです。しかし、これも上手くいかずに終わりそうな気配を漂わせてます。

そもそも電気自動車用の電池ってのはちょっと間違えば爆発するような危険なモノなんですが、それを制御する技術がテスラの技術の肝なのです。(まあガソリンだってちょっと間違えば爆発するような危険なものなので、車ってそれだけ高いエネルギーをもった危険なものを動力にしないと動かないものだってことなんでしょうね。)

要はバッテリー制御の技術が、電気自動車を作る上で一番付加価値の高い技術ってこと。しかし当たり前ですけど、そんな一番の肝になる技術をテスラがパナソニックに開示するはずもない。そうすると所詮はパナソニックもたくさんあるサプライヤーの一つでしかないわけで、テスラからすれば注文通りの仕様で安く、要求した通りの数とリードタイムでセル(電池の中核部材)を作ってくれれば、供給元はパナソニックじゃなくても全然良いわけです。

大規模な設備投資をやって、安く大量に生産できる体制できてなんぼ、というパワーゲームの世界に入ると、液晶パネルと同じパターンになってきて勝てる見込みは薄くなります。中国には勝てませんからね。

ということで車載用電池でも、ほぼ敗戦が確定してるわけです。

次は中国で失敗?

で、次に「やべーんじゃねーの?」と思うのが、米中貿易戦争の影響。

パナソニックさん、なんと家電事業の本部機能を中国本土に移してるんですよね。それだけ中国市場を本気で攻略するつもりだから、ってことなんでしょうけど、マジで裏目に出そうな予感しかしない。

少なくともアメリカの技術を使った製品なんか絶対に作れないでしょうし、中国で作って欧米に輸出するのも難しくなるかもしれない。

元々、松下幸之助と鄧小平が仲良かった頃から中国進出していて、かなり早くから中国で活動してきた歴史があるみたいですけど、ちょっとねぇ、バクチが過ぎませんかね?

大局観が無いのか、あまりにも極端すぎてパニクっちゃっておかしなことやってるようにしか見えないといいますか。。

これを書いてるのは2020年6月ですけど、一応予言しとくとおそらくこの先、中国本部の件で更におかしくなって、もっとヤバくなっていくと思われます。。

今日はここまで。ではでは~。

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