たまにニュースになる米中貿易摩擦の話。マスコミは摩擦って表現してるけどこれ間違い。実際は摩擦なんてもんじゃなくて明確にお互いを敵視して争ってるので、戦争に近い状態です。
その中で良く聞くのがHuawei(ファーウェイ)って会社の名前。中国の国営企業ね。ここをアメリカさんが集中的に攻めてます。
今日は、なんでアメリカ産はファーウェイを攻めてるの?って話を分かりやすく解説します。
次世代のAIコンピューターには超高速ネットワークが必要不可欠
前回も書きましたが、今アメリカと中国では国を挙げて次世代の超巨大AIコンピューターというかAIロボットを作る競争をやっています。このために中国が大量の軍人をスパイとしてアメリカに送り込んでたりしてて、もはや単なるお金儲けのための産業スパイってレベルじゃない。国の命運をかけてやってるレベルの話です。
で、この超巨大AIコンピューターがちゃんと性能を発揮するためには、超高速ネットワークが絶対に必要です。むしろ無いと話にならないくらい。
何故なら超高速ネットワークがあれば、個人のパソコンやスマホがスーパーコンピューターになるから。全員が”京”とか”富岳”を持てるってことに等しい。
近頃のデータセンターって、ほぼスーパーコンピューターみたいになってきてるのね。ってことはそのデータセンターにアクセスできればスパコンにアクセスできるのと変わらない。アクセスできればそのスパコンを使えるってことになる。
大量のデータをデータセンターとやり取りできれば、手元にスパコンがあるってことになる、即ちスマホがスパコンになる。これが超高速のネットワークが絶対に必要な理由。
ただのスマホとスパコンと比べたら、竹やりとB29くらいの差。次元が違うので、超高速ネットワークの有無が決定的な差を生むことになる。
しかもAIはスパコンの中にいる。つまりみんなでスパコンにアクセスできるってことは、みんなでAIを使えるってこと。逆に言うと超高速ネットワークが無くてアクセスできないってのはAI+スパコンが使えないってことになる。
これが使えないと、産業の競争力に決定的な差が生まれてしまうので、だから世界中でみなさん必死になって超高速ネットワークの開発を進めてるの。
アメリカは超高速ネットワーク技術を持ってる中国企業を潰そうとしている
スパコンとAIにアクセスするのは、パソコンとかスマホに限らない。ネットにさえつながってりゃいいんだから、冷蔵庫でもカメラでもテレビでも何でもスパコンとAIとつながれる。
だから個別のハードの性能とかあんま意味無くなるのね。つながって何するの?ってのが大事になる。
でも今のネットワーク環境じゃ全然ダメで、ちょっと動画見たくらいでギガが足りないとかなるクソしょぼいネットワークじゃあスーパーコンピューターの性能をフルに発揮できない。
5G、5Gと言われてるのはこういう背景があるから。今よりもっともっと高速大容量で、それを超安いコストで使えなきゃダメ。じゃなきゃ日常的に使えないから。
超高速ネットワークがあって初めてAIもロボットもフルに活用できるようになる。ってことはこの超高速ネットワークを作る技術がめちゃめちゃ大事で、コア中のコアな技術ということ。
そして、そのネットワーク設備の技術に関して高い技術を持ってるのがHuawei(ファーウェイ)。だからアメリカはファーウェイを潰そうとしてる。
ファーウェイの装置が世界中で導入されて超高速ネットワークの技術を握るとか、アメリカにとってはまじで悪夢。
というかそれってもはや中国が世界を支配するようなもんだから、アメリカに限らず日本だって、ヨーロッパの先進国だってイヤでしょう。
だからアメリカさんはファーウェイ(というか中国の通信技術を持ってる会社)を必死で潰そうとしてるってこと。
トランプが大統領だからとか関係無い。誰が大統領でもファーウェイは潰す。
アメリカの安全保障の話だから、誰が大統領だろうとそこは変わらない。