立春を過ぎて急に寒くなってきましたが、もう洋服は20年春物のリリースが始まっています。
今更寒くなっても遅いっちゅーねん。
で、20年春夏のお買い物一発目は“The Reracs”に行ってきました。
以前も↑の記事でご紹介した直営のフィッティング専用店舗で、1月中旬頃に受注会ってのをやっていて(先行予約会ですね)、そこで頼んだものが先日届いた形。
頼んだものはThe Reracsの超定番品 “ショートモッズコート”。
サイズは48、カラーはベージュです。
外部リンク<The Reracs PE/NY SHORT MODS COAT>
今日はこのアイテムを写真付きでご紹介。
Contents
The Reracs の名作アイテム モッズコート
レディースでもメンズでも展開されているThe Reracsのモッズコート。
ブランドの初期から展開されているブランドを代表する名作で、形としてはロングとショートの2種類があります。
セレクトショップでこちらのブランドが扱われているときも大抵このモッズコートはセレクトされていますし、大手セレクトショップの別注品もちょくちょく見かけます。
客観的に見ても、The Reracsを代表する完成度の高いアイテムです。
春夏と秋冬ではライナーの有無や生地違い品があったりしますが、基本的には同じ生地のものが通年で展開されています。
印象的だったのが、ZARAがこのモッズコートをもろにパクった事件。
The ReracsがZARAを訴えて、結局The Reracs側の訴えが認められる形で決着したそうな。
参照サイト <WWD “日本発「ザ・リラクス」が巨大SPAブランド「ザラ」に勝訴 「ザラ」がコートの形態を模倣”>
参照サイト <FASHIONSNAP.COM “ファッションデザインのパクりを防ぐにはどうしたらいいか?”>
まあ写真を見る限りではディテールはそっくりですよね。
生地感が違うので、やっぱりThe Reracsの方が高見えしますが、ZARAが出している方はおそらく半額以下の値付けでしょう。
筆者はアパレル業界の人間ではありませんが、まあ普通に考えてこんなことされたらたまんないですよね。
ファッション業界ってパクりパクられが当たり前のようで、どこまでがOKでどこからがNGなのか当事者達もよく分かっていなさそうな雰囲気ですが、売上高3兆円の巨大資本が日本の小規模ブランドの商品(しかも売れ筋の定番品)をパクるとか、部外者から見てもやりすぎでしょうよ。
毅然とした態度で訴えを起こしたThe Reracsのビジネスに対する姿勢は素直に尊敬に値するなぁと感じましたね。
パクった相手を訴えるとか、当たり前のことかもしれませんが、当たり前のことを当たり前にやるって意外とみんなできてなかったりするからね。
The Reracs モッズコートの特徴
M-65を現代的に再構築しましたという、そこだけ聞くとありがちなアイテムですし、そもそもモッズコート自体が定番のファッションアイテム。(M-65ってモッズコートって言っていいんだっけ?という疑問はありますが。。)
ぶっちゃけヒューストンあたりのリーズナブルなものでも全然良くね?って言いたくなるアイテムなんですが、このThe Reracsのものは既存のM-65ときっちり差別化されたアイテム。
なんというか土臭さが全然無く、強い高級感が目を引くモッズコートです。
実物を見れば一目瞭然なんですが、お店に並んでいても「おっ?なにこれ良さそうなのがある。」と遠目にも目を引くくらい雰囲気抜群。
海外ハイブランドと並んでラックにかかっていても全然ひけをとらないくらいです。

お値段 59,000円(税抜き)
この辺りは筆者の主観なんですが、おそらく高級感を醸し出している要因の一番は生地。
ポリエステル/ナイロンの化繊生地なんですが、強いハリがあるマットな質感。
ピーチスキンというのかな?マットなんですけど、キラキラと光を反射して少し輝いても見える、他のブランドではちょっと見ないThe Reracsを代表するオリジナル生地です。
モッズコートだけではなくルーズチェスターフィールドコートなどの他のアイテムにも使われていて、長く展開されている定番素材です。
非常に落ち着いた大人の色気を感じる高級感抜群の素材です。

ハリとしなやかさを併せ持つ高見えする生地です

秋冬バージョンだとライナーが付きますがお値段高くなります
風を通さない生地なのライナー無しもで防寒性は高め
都内くらいの気候ならちゃんと中に着込めば
真冬でもこれで全然OKです
それに加えて細かいところまでこだわって作られていて、例えば数か所あるコード(紐)の先端部分の金具。
これもブランドオリジナルで作っているものなんですが、非常に丁寧に仕上げられていて高級感抜群。
ハイブランド並みのこだわりを持って作っている、というのがこのブランドの売りだったりするようなんですが、こういう細部からもその哲学を強く感じられます。

ドローコードの金具が非常によくできています
ジップも大きなものが使われているのですが
こちらも高級感強めで
ブランド名の刻印までされているこだわり仕様
もう一つの分かりやすい特徴がフード部分。
オリジナルのM-65同様に着脱可能な仕様になっており、フードの淵部分に金属線が入っていてフードの形状を保持できるのもオリジナル同様の仕様。
M-65に付き物のファーはついてません。
で、何が良いかって生地のハリも相まって襟を止めなくても非常にきれいにフードが立つところ。
首回りを開けている時にファーがあると派手で良いんですが、ちょっとやり過ぎ感も出てしまう。
あんまりにも本格的というか大げさ過ぎてちょっと引いちゃうんですよね、あのファー。
その大げさ感を無くしつつも、綺麗にフードを立たせてフードの持つ小顔効果を残し、素材とディテールで高級感を出してモッズコートの持つ土臭さを消してモードなファッションアイテムに昇華させている、という感じでしょうか。
着こなしの簡単さも含めて、完成度が高いアイテムです。
そして特筆しておきたいのがお値段。
約6万円と絶対額ではお高いんですが、クオリティに比してちょっと安く感じるんですよね。
この面構えだったら同クラスのブランドなら8万円くらいでもおかしくなさそう。
価格に対する満足度という意味で高コスパなアイテムで、非常におすすめです。
The Reracs モッズコートの合わせ方
合わせ方ってほどのことも無いのですが、ボトムスは細身のパンツは間違いなく合います。黒の細身で合わせれば全く問題ないでしょう。
ワイドパンツと合わせても全然OK。
フードが大変目立つコートなので視線が上に集まるようになっているんですね。
なので深く考えずに適当にワイドパンツに合わせるだけでコーディネートは成立するでしょう。
むしろワイドパンツの方が全体的に迫力が出て良いかも。

こんだけ首回りが目立っていると視線が上に誘導されるので
上下のバランスはあまり気にならなくなり
細身のパンツでもワイドパンツでも何でも合うようになります
つまりは着こなしは非常に簡単
深く考えず適当に着るだけでおしゃれに見えます

首元を閉じると顔の半分くらいが隠れて小顔に見えます
インチキ臭いけど一気にスタイルが良くなって見えます
着画を見ても、ドローコードの高級感が効いているのが分かりますかね?
わざとらしさの無いアクセサリーといった役割を果たしていて、細部が全体の印象を左右するという良い例じゃないかと思います。
ちなみに筆者の身長は177cmで着画のモッズコートのサイズは48(L相当)。
少しゆったり着たかったので大きめサイズにしています。
個人的には20SSのモデルについてはゆとりを持たせて着るのを推奨しますね。
肩も落ち気味のゆとりをもったシルエットで作られているものなので、素直にそのダイレクションに従ってゆったりめで着た方がハマりやすいと思います。
ただし、ショートと言っても着丈がそんなに短くないので、レイヤードして裾からインナーを出すのは難しそうです。
The Reracs のモッズコート ロングが良いか?ショートが良いか?
で、たぶんこれを買おうと思った時に一番悩むのは、ロングバージョンにするか、ショートバージョンにするか、でしょう。
筆者のおすすめはロング。
直営店のスタッフさんのおすすめもロング。
ショートも良いのですが、使い易さという意味ではロングでしょう。
どっちも適当に深く考えずにバサッと着るだけでかっこよくなるんですが、ロングの方がその傾向がより強め。
ショート丈だとボトムスが見える面積がロングより大きくなるので、必然的にコーディネートの難易度は上がります。
ってかロングコートのコーディネートが簡単過ぎるって話かもしれません。
ロングコートでもチェスターコートとか、襟が寝ているデザインのものだと首回りの処理を気にしなければいけないのですが、このモッズコートならフードがあるので首回りの処理も適当でOK。
じゃあなんでお前はショート買ってんだよって話ですが、ロングコートは商売できんじゃねーかってくらいいっぱい持ってるから、たまにはショート丈を買いたかったんだ。。
ショートだって十分かっこいいし。。
もっと言うと奥さんが持ってるんですよね、ロングは。なので見慣れてしまっていてショートが新鮮だったってのもあります。
The Reracs のモッズコート 3年ほど着た経年変化
ちなみに、↓が筆者の奥さんが3年くらい着倒したロングバージョン。
やっぱり着やすいみたいで、秋冬から春先までずっと着てます。

生地にアタリが出てたり
少々経年で生地がくたっとしてるのが分かりますかね?
かなりヘビロテして着てるんですが、経年変化が良い感じなんですよね、化繊なのに。
へんなシワが入るわけでもなく、アタリが出たり生地はくたっとしてきているのに、ヌメっとしたツヤがでてきて雰囲気が増してきているという。

ヌメっとしたツヤが出てきています
バブアーのオイルドコットンっぽいような雰囲気
若干偏見入っていますが、経年変化って自然素材だからこそのものだと思い込んでいたんですが、化繊100%でこれだけ良い感じで変化してくれるってのは初体験。
これもデザイナーさんは狙ってやってるんでしょうけど、化繊に対する認識を改めさせられましたね。
ながーく付き合えるという意味でもやっぱりおすすめの逸品です。
ちなみにちなみに、寸法に関しては20SSのアイテムは袖が少し太めになっています。
去年までのものは袖が少し細かったんですよね。
上の写真も袖が若干細目なのが分かりますかね?
多分肩周りも20SSの方が少し緩くなっています。
なのでインナーにボリュームがあっても問題無く着られるようになっています。
一方で袖は細い方がスタイリッシュに見えるので、どっちが良いか一概には言えないのですが、トレンドとシーズンのテーマに合わせて微妙に寸法は変わっているので、メルカリや古着屋さんで購入するときは少し注意した方が良いかもしれません。
The Reracs モッズコート WOMENSについて
筆者が購入したのは当然MENSのアイテムなんですが、WOMENSのものもデザインはほぼ一緒。
MENSの方が当然寸法は大きめですが、袖を捲るなり多少の工夫をすればオーバーサイズ気味に女性でも着用可能。
ユニセックスで着用できるってのもポイント高い。筆者は夫婦で共用するつもりで購入しました。
正確に言うと、WOMENSのショートモッズコートはAラインシルエットで肩が落ちていない、少し肩周りがコンパクトな設計のもの(ZARAがパクったのはこっち)を長らく展開してきたようなのですが、おそらく今期から肩が落ちた少しルーズなシルエットのものが追加されて2種類の展開になっている様子。
その追加になったルーズなシルエットの方が、MENSのショートモッズコートと共通のデザインになっています。
なのでユニセックス的な位置づけのデザインになっているようです。
試着時に奥さんに着せて試しましたが、袖さえ折れば全然OKでしたね。
むしろルーズさが強調されて良いんじゃね?くらいの感じ。
このあたりは好みの問題もありますが、夫婦やカップルで共用できる稀有なアイテムなので、そういう意味でもおすすめの品です。
同じことはロングバージョンにも言えますね。
最後に
ということでThe Reracsの超定番アイテム、モッズコートのご紹介でした。
ブランドの中でも良く売れているアイテムで、常に展開しているアイテムなので数もそれなりに用意している様子。
そんなにすぐには売り切れないとは思います。
ただ近年ファンも増えてきているようで、サイズ欠けくらいはしそうな予感。
もし購入を検討されている方はお早めに確認を。
今日はここまで。ではでは~。